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住宅ねっと相談室 あらかると

住宅に関係する税金やローンの疑問・トラブルなど、読者から寄せられた相談に建築士やFP、弁護士ら専門家が回答します(この連載は終了、新たな質問の受け付けも終了しました)

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QUESTION

抵当権がついていた建物が全壊した

(宮城県 50歳代 自営業 男性)

 3月11日の地震と津波により、住宅が全壊しました。


 5年前に家を建て直した際、住宅ローンを借りた金融機関の抵当権が、土地と建物の両方に共同抵当でついていたのですが、「期限の利益の喪失」(※文末の注参照)になりますでしょうか。それとも、担保の追加を求められるのでしょうか。


 契約書には、抵当権の目的物が滅失した場合、期限の利益が喪失し、直ちに残額を払わなければいけないという特約が書いてあったように思います。


 ちなみに、契約書は家と一緒に無くなりました。


ANSWER

特別な事情における判断

(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)

 この度の震災並びに津波の被害につき、心からお見舞い申し上げます。さらには、犠牲になられました多くの皆様のご冥福をお祈りいたします。


 さて、ご質問の抵当権の目的不動産の滅失ですが、原則は期限の利益を喪失し、直ちに残額を弁済しなければなりません。しかし、敷地である土地(更地になることで評価額は上がる)にも共同抵当権がついているようですから、直ちに滅失扱いになることは無く、追加担保や新たに建築した建物に直ちに抵当権を設定するなどの措置が行われます。


 さらに、今回の震災のような特別事情の場合、阪神淡路大震災の時もそうでしたが、追加担保など現実的に不可能な債務者がほとんどでしょうから、金融機関も契約書の内容をある程度緩和して、特別な事情における判断、配慮をしてくれるはずですので、安心して金融機関に相談してください。


 ゆっくりで構いませんので、確実な復興ができますようお祈りしております。


 (注) 「期限の利益の喪失」とは、債務者が債務の履行をすべき将来の時期、つまり「期限」を失い、直ちに残りの債務を履行しなければいけない事態のことをいう。たとえば、10万円借りた債務者が、翌月の特定日から毎月1万円ずつ10回に分けて返せばよいという約束をしていても、約束の期日に返済しないなど、信頼関係を失わせるような行為があった場合、債権者は、直ちに残額全額を返せと請求できる。


この喪失事由は契約で当事者が決めるのが原則であるが、民法にもその規定を置いている。


 (期限の利益の喪失)


第137条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。


1.債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
2.債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
3.債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。


[ 2011/4/28 掲載]

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住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣

 『相続のたびに“まち”が壊されていく!』。これが長年のまちづくり研究で分かったことです。不動産や住宅は、経済資源ではありません。国家の重要なインフラです。秩序ある不動産の継承は、「まちづくり」の原点です。皆さんに正しい知識をもっていただいて、暮らしやすい社会を実現したいですね。こんな思いから司法書士になりました。


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