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フラット35、民間ローンなど住宅ローンの種類もいろいろ。賢い借り方、返し方のポイントを紹介します

住宅ローンを賢く上手に利用する厳選15のポイント(その3)賢い上手な取得(購入・建築)術をチェック、その5つのポイント

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 「住宅ローン成功術」の総まとめとして3回シリーズを掲載。第1回(2月25日掲載)が“返済術”、2回(3月11日掲載)が“利用術”、そして今回は最終の“マイホーム取得術”を取り上げることにしよう。


●ポイント1:マイホーム取得(購入・建築)の方法と資金計画をチェックする
 “マイホーム取得術”は、マイホームを手に入れるための方法ということになるが、その方法には、“購入(買う)”と“建築(建てる)”の2つのコースがある。コースによって手に入れるマイホームの形態が異なり、同時に取得のプロセスややり方なども違ってくる。


 資金面では、住宅ローンの対応の仕方や取得に掛かる費用の支払い方などが違ってくる。どこがどう異なるのか、資金計画にポイントを置きながらチェックしてみよう(表1-a・1-b)。


[表1-a]取得(購入・建築)コース別/資金計画のポイント
A[購入コース]
(戸建ての購入、マンションの購入が主な対象)
B[建築コース]
(戸建ての新築またはリフォームが主な対象)
資金計画のポイント(1)事前に資金計画を立て、その計画に則した物件を購入する
(2)取得に至るまでの期間が短く、住宅ローンの設定の仕方が重要
(3)取得対象(下段参照)の違いによって資金計画が大きく異なる
(1)土地取得の状態によって資金計画が大きく異なる
(2)更地新築と建て替えの場合とでは諸費用に大きな差が生じる
(3)リフォームの場合、工事の対象や規模などによって費用面に差
取得対象
(詳細は表1-b)
[a:戸建て住宅]
イ:新築一戸建て ロ:中古一戸建て
[c:戸建て住宅の新築]
イ:更地新築 ロ:建て替え新築
[b:マンション]
ハ:新築マンション ニ:中古マンション
[d:リフォーム]
ハ:増・改築 ニ:改装・模様替え


[表1-b]取得対象別/取得&資金計画のポイント
取得対象取得のポイント資金計画のポイント










イ:新築分譲方式の建売住宅が主な対象。全体計画(規模・住環境・生活の利便性など)、各住戸のプランや仕様内容などを比較チェック土地も含めた価格設定なので資金計画が立てやすい。価格的に求めやすさを狙うなら郊外型。対象が長期優良住宅なら税金面で優遇
ロ:中古耐震基準を満たす物件をまず選び、そこから暮らし方に合った物件を絞り込む。リフォームプランを念頭に入れておくことも重要購入資金に加えてリフォーム資金の計画も設定。購入後、一定の時期を経てリフォームに着手すれば、資金計画も楽に対応できる





ハ:新築生活の利便性重視の都市型、周辺+居住環境重視の郊外型、そのどちらを選ぶかがポイント。子どものいる若い世代なら郊外型か都心から徐々に離れるにしたがって価格的には求めやすくなる。沿線ブランドにこだわらなければ幅広い価格帯から選ぶことも可能
ニ:中古新耐震基準が適用の1981年6月以降に建築された物件が一つの目安。加えて防災・防犯性を重視した物件であればなお結構築年数にもよるが、新築に比べてぐっと安い価格帯に設定。物件検索サイトなどでこまめに探すことがお得な物件に出合えるチャンス










イ・ロ:新築取得していた土地に建てる更地新築と、古家を壊してその土地に建てる建て替えとがある。更地新築の方がスムーズに工事が進行建て替えの場合には工事期間中に仮住まいが必要。古家の解体費用などを含めると、更地新築に比べて2、3割増しの資金が必要
ハ:増・改築増築・改築・改装・改修・修繕などがある。どのような工事になるのか、その必要性も含めてきめ細かく計画することがポイントどんな工事になるのかによって費用面に大きな差。かなり高額な費用が掛かるようであればリフォームローンの活用を検討





ニ:
改装・模様替え
工事としては専有部分の改装・改修・修繕などが中心。工事音やほこりなどの発生が心配されるので、管理事務所に工事する旨を事前に届けておく必要がある改装が中心のため、工事が大掛かりにならなければ比較的少ない工事費で済む。ただし、設備の取り替えとかバリアフリー化などの工事を伴う場合には、高額化するためリフォームローンの利用を検討


●ポイント2:的確に賢く購入するためのセオリーをチェックする
 マイホームの取得には、2つの方法があるといったが、“購入”においては物件の探し方・選び方、“建築”では注文の仕方・建て方がポイントになる。また、“購入”“建築”のいずれの場合も、資金計画を常に念頭に置いておく必要がある。


 さらに、“物件の探し方・選び方”、あるいは“注文の仕方・建て方”には、セオリーのようなものがある。どんなチェックポイントがあるのか、ピックアップしてみよう。


[購入のセオリー]


■資金計画にかかわる事柄
【1】収支の適正バランスを考えて物件を選ぶ
収支の適正バランスというのは、購入にかかわる費用に対して購入のための資金がバランス良く用意できること。例えば、購入関連の費用として4500万円(購入価格4000万円+諸費用500万円)ほど掛かるのに対して、購入資金が不足することなく用意できるかどうかがポイント。
【2】住宅ローンの借り入れ可能な額を見極める
購入資金が不足することなく用意できることがポイントといったが、そのバックボーンにあるのが住宅ローンによる借入額。つまり、購入資金に見合った金額を借り入れることができるかがポイント。
【3】多額の借り入れでは返済能力が問われる
住宅ローンを利用する場合、返済能力があるかどうか、同時に能力の程度はどうかが問われる。返済能力というのは信用力。具体的には相応の年収、安定して確保できる収入(その裏付けとしての勤続年数など)、利用する住宅ローン以外の借入金とその返済額などが、金融機関からチェックされる。
■物件の探し方・選び方にかかわる事柄
【1】家族のニーズを集約しておく
物件を探す前段階として、家族のニーズをまとめておく必要がある。ニーズは際限なく広がるもので、それをコントロールするのが上段の「資金計画」。つまり「資金計画」の枠の範囲でさまざまなニーズを調整することになる。その調整は、次項【2】と並行しながら進めるようにすると良い。
【2】共通の「購入データ」を作成して物件を比較しながら判断材料にする
「購入データ」のようなものを作成・整理しておくと良い。例えば生活の利便性(交通、買い物、学校など)、居住環境(周辺環境・住居環境、防災・安全性など)などの項目を共通の物差しとして、お気に入りの物件をランク付け。そうすることで、最終的な判断が下しやすい。
【3】「家族のニーズ」および「購入データ」で最も重視しなければいけないのは安全・安心
さる3月11日に発生した東日本大震災。頑丈そうな建物であっても大津波で一瞬のうちに飲み込まれ倒壊する様を見るにつけ、安全で安心できる家づくりの基本は、土地選び・立地選びに尽きるように思える。「ポイント4」で改めて述べることにしよう。


新築の一戸建て分譲(建売住宅)。大規模型の分譲地では数十棟単位で販売されるケースが多く、まとまった形で比較チックしながら物件選びをすることができる。周辺の環境などもチェックしておきたい中古マンションの場合、販売される住戸および時期は直前にならないとわからない。仮にその地に建つ物件を取得したいというのであれば、中古物件を扱う地元の業者に探してもらうかネットを通じて検索することになる


●ポイント3:的確に賢く建築するためのセオリーをチェックする
 [購入のセオリー]に続いて[建築のセオリー]を紹介。ここでは、一般的にはオーダー(注文)建築なるので、その注文の仕方および建て方にポイントを置くことにする。


[建築のセオリー]


■資金計画にかかわる事柄
※【1】【2】【3】は「購入のセオリー」と共通。"購入"を"建築"に置き換えてチェックする
【4】ふくらむ建築費、コストを抑えるコストコントロールの実行
オーダー建築による家づくりでは、ニーズのふくらみに応じて費用もふくらむケースが多い。資金計画にあたっては、予算の削除を重視することになる。削除の仕方は、ふくらみ方にもよるが、"大"であれば大きく削除することも可能、"小"よりも効果的に費用を抑えることができる。"大"でより効果的な削除法は、規模(床面積)を減らすこと、あるいは高額と思われる設備や仕様などのグレードを落とすこと、など。
【5】新築にかかわるローンや税金などの優遇措置をフル活用
建築に限らず購入の場合も新築住宅を取得すれば、さまざまな面で優遇措置が受けられる。例えば、住宅ローン控除の場合、10年以上の返済期間であれば10年間にわたって所得税が軽減される(特定のリフォーム工事の場合には5年間)。
【6】土地取得に限定した住宅ローンの場合、利用面において大きな制約がある
住宅ローンは住宅を建てるためのローン。したがって、「フラット35」や「財形住宅融資」などでは、土地取得に限っての融資は設定されていない。民間金融機関の住宅ローンを利用して土地の取得を先行させ、その後で住宅を建てれば土地取得分も融資が受けられる仕組みになっている。したがって、こういったケースでは土地取得に対しては、自己資金で対応するのが原則。
■注文の仕方・建て方にかかわる事柄
【1】設計から施工へ、基本となる設計が重要
注文で建てる住宅では、建て主が注文できる事柄は設計段階に集中することになる。事前にどういったことを注文するのか、家族間で十分に話し合う必要がある。その結果、さまざまな注文を設計や施工する側に出すことになるが、注文のすべてが受け入れられるわけではない。予算や建築法規、それに矛盾しがちな注文内容などから、設計・施工側で調整されて設計案として提示される。
【2】設計から施工へ、積み上げ方式で進行
設計段階では、基本設計、実施設計と進行。設計に対する注文や修正は、できるだけ基本設計の段階で行う方が良い。実施設計では主に細部の構成を決める設計となり、注文もそういった部分に限定されたものになる。そんなときに基本設計にかかわるような注文を出せば、一から出直しての着手となり、大きな無駄となる。コストアップにも通じる。さらに、施工(工事)段階に入っての設計変更は、よほどのことがない限り避けた方が良い。
【3】借り入れ資金が受け取れるのは住宅が完成してから
注文住宅の場合、着工から完成までの期間はほぼ4カ月から6カ月ほど掛かる。住宅ローンを利用して建築する場合、住宅完成後に抵当権設定などの手続きをする関係から、借り入れ資金を受け取れるのは完成後。つまり、施工会社などに対する工事費の支払いが滞るケースも生じる。そういった場合の対処法も、建て主と設計・施工者側とで十分に打ち合わせておく必要がある。
【4】設計および施工の依頼先をどう決めるかも重要
設計は設計事務所、工事は工務店などといった具合に設計と施工を分けて依頼する方法もあれば、設計と施工を一括して依頼するケースもある。後者の場合、その依頼先としては、(a)工務店ないしホームビルダー(b)住宅メーカー、などがある。さらに(a)(b)の依頼先は、木造軸組工法、ツーバイフォー工法、プレハブ工法(構造的には、木質系、鉄骨系、コンクリート系など)など得意とする構造および工法分野に分かれている(複数の工法で対応するところもある)。工法の特徴などをよく理解した上で、依頼先を決めるようにすることもポイント


マイホームの建築には写真のように更地に建てるケースもあれば、既存の建物を取り壊して建て直す建て替えケースもある。更地新築の場合には土地造成時の状態も、できればチェックしておきたい画一的な建売住宅に比べて、どちらかといえば個性的な雰囲気が漂う注文方式の住宅。設計と施工を分けて依頼するケースもあれば設計・施工という形で一括依頼するケースもある。写真はホームビルダーに一括依頼の例


●ポイント4:土地・立地選びが丈夫な家づくりの基本
 良好な居住地として昔から好まれていたのが、やや高台の台地のようなところだそうだ。そういったところでは、海岸から離れているにもかかわらず貝塚が点在する。要するに集落が形成されていた証(あかし)でもある。


 そのうち、そういった集落がすたれ、海岸に近いところに人々は移り住むようになる。その方が、町が開け、便利さが増す、といった理由から。東京の近辺も新たに開けた住宅地となると、海を埋め立てたところが多い。


 海岸に近い町や埋め立て地では、東日本大震災による被害が特に甚大だった。地震そのものもさることながら、大津波や液状化による被害が目立つ。大津波が迫る映像を見ると、強固な建物も一瞬のうちに倒壊に至る。


 現時点で言い切るのは早計かもしれないが、“建築(建てる)”ケースで最も重要なのは、何といっても土地選び・立地選びに尽きるのではないか。むろんこのことは、“購入”の場合も同じ。大地に家が建つ限り、その土地の良し悪しを見極め、《地の利》を生かすことが大切だ。


「(土)地」にかかわることわざや故事成語などを6点ほど紹介しておこう。


《足が地に付く》(危なげなくしっかりしていること)


《地の下で大鰻(うなぎ)が動くと地震が起こる》(古くから言い伝えられている俗説)


《地が傾いて舞が舞われぬ》(地面が傾いているから舞うことができない。転じて、何かと理由をつけて着手しない、もったいをつけて体裁を繕うの意)


《地から涌(わ)いたよう》(今まで影も形も見えなかったものが急に現れることのたとえ)


《地に倒るる者は地によりて立つ》(反省によって旧業を悔い改めることができるということ)


《地を掃(はら)う》(地面を掃いたように何も残らない。すっかりなくなる、すっかりすたれてしまう)(まさに今回の大地震がそれ)


●ポイント5:マイホーム取得術、これからは“居場所”と“居心地”がキーワード
 ポイント4で紹介した「土地・立地選び」はどちらかといえば、“居場所”にかかわること。“居場所”は要するに居る場所のことで、広い意味でいえば、住宅が建つ場とか、家族が暮らす場、ということになる。その一方で、“男の居場所”などというように、個人の趣味や楽しみにかかわる場といった意味としても使われている。


 “居場所”に対して“居心地”という言葉がある。“居心地がいい”とか“居心地が悪い”などというが、“心地”があるように“心”とか“心理”にかかわるソフト的な言葉といえよう。


 今回の大震災に際して、“居場所”もさることながら、少しでも“居心地のいい”住まいを手に入れることが大切なことだといえる。“居心地のいい”住まいとは、心の安らぐ、和ませてくれる住まいでもある。


[2011/3/25]

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住宅ジャーナリスト 西村俊一

住宅ジャーナリスト。1944年生まれ。住宅新報社出版局「別冊住宅画報」編集長などを経て、1986年に独立。新聞・雑誌・書籍などに住宅関連記事を執筆のほか、単行本の編集に携わる。主な著書に「家づくり事典・知恵200」「知らなきゃ損する!家づくりの全費用&全資金」「困ったときに開く!家づくり(超)解決本」「マイホームかしこい住宅ローンの利用のしかた」「住まいの収納300の知恵」などがある。


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