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第158回 再開した「住宅エコポイント」 制度の仕組みと注意点を再確認!

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 突然だが、読者の皆さんは何枚のポイントカードをお持ちだろうか。おそらく1枚や2枚ではないだろう。家電量販店にドラッグストア、はたまたスーパーに百貨店と、かなりの枚数のカードが財布の中に入っているに違いない。どうせ買うなら少しでもお得感のある買い物がしたいという欲求に駆られ、日増しにポイントカードの枚数は増えていく。インセンティブが付与されないと、購買意欲をかきたてられなくなっているわけだ。まるで“ポイント中毒”ともいえる状況から、一般消費者は抜け出せなくなっている。


 今日ではこうした消費者の心理を逆手に取り、政策立案にもポイント効果を取り込もうという動きが活発化している。政権交代によって「控除から手当て」へと転換が図られるなか、政策の中身も「減税からポイント付与」へと様変わりしている。ご存じ、その代表例が家電エコポイントに住宅エコポイントだ。どちらの制度も景気の下支えに大きく貢献している。残念ながら家電エコポイントはすでに終了してしまったが、住宅エコポイントは今年1月25日からポイント申請の受付が再開された。


 改めて、これまでの経緯を簡単に振り返ると、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」が2009年12月に鳩山内閣のもとで閣議決定され、住宅エコポイント制度が創設された。そして、翌2010年3月から申請の受付が開始され、同年9月には「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の閣議決定を受けて、住宅エコポイントの1年延長(2010年12月末 → 2011年12月末)が決定された。そして、さらに翌月には「太陽熱利用システム」「高断熱浴槽」「節水型トイレ」の設置工事がポイントの加算対象に追加されるも、予算が上限に達したことで、付与対象となる工事の期間を予定より5カ月短縮(2011年7月末まで)して制度はいったん打ち切りとなった。かなり突然の発表だった感は否めない。


 それから3カ月。今度は野田内閣のもとで昨年10月に「平成23年度第3次補正予算案」が閣議決定され、被災地の復興を支援すべく住宅エコポイントの再開が決まった。従来の制度からの変更点は大きく4つだ。

  1. 名称が変更され、「復興支援・住宅エコポイント」となる。
  2. 発行されるポイント数が見直され、「被災地」と「被災地以外」で付与数が異なるようになった。
  3. 「リフォーム瑕疵(かし)保険への加入」と「耐震改修の実施」がポイントの加算対象に追加される。
  4. ポイントの交換対象商品が「環境」と「被災地支援」に重点化され、被災地支援にポイントの2分の1以上を充当することが条件化される。


 決して難しい仕組みではないが、分かりにくいという意見は少なくない。そこで、本コラムではこれだけは知っておいてほしいという基本を中心に説明する。専門的なことには深入りせず、住宅エコポイントの“ポイント”(要点)を分かりやすく解説する。


ポイント発行対象となる「エコ住宅」とは?

 ポイントの発行対象となる「エコ住宅」とは、次の(A)または(B)の住宅のことを指す。そして、(A)または(B)に該当する住宅の新築時に同時に「太陽熱利用システム」を設置した場合もポイントの発行対象(2万ポイントが別途加算)となる。太陽熱利用システムとは集熱パネルで太陽エネルギーを集め、集めたエネルギーを熱に変換して温水・給湯するシステムのことだ。太陽光発電とは異なるので、混同しないよう注意したい。


(A)省エネ法に基づくトップランナー基準相当の住宅
(B)省エネ基準(平成11年基準)を満たす木造住宅


※住宅エコポイントの発行対象となる新築住宅の詳しい基準については、以下サイトを参照
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/toprunner(国土交通省)


 (A)に関しては戸建て・共同住宅の区別はないので、基準に該当すれば新築分譲マンションでも1戸(専有部分)当たり被災地で30万ポイント、被災地以外では15万ポイントが区分所有者に付与される。たとえば被災地で総戸数100戸の分譲エコマンションが新築されると、マンション全体では3000万ポイント(30万ポイント×100戸)が発行されることになる。ポイント数を円換算してみると、かなりの金額になるのが分かる。第3次補正予算では住宅エコポイントの再開にあたり、国費として1446億円が投入されているが、もしかしたら今回も前倒しで締め切られるかもしれない。


※被災地とは岩手県全域、宮城県全域、福島県全域、その他、青森県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、新潟県、長野県の各一部(10県221市町村)


「エコリフォーム」 何をすれば何ポイントもらえるか

 続いては、ポイントの発行対象となる「エコリフォーム」について見てみよう。エコリフォームでは以下の(a)と(b)が基本となり、(a)または(b)のリフォームと併せて(c)~(h)の各工事を実施すると、それぞれの工事内容に応じてポイントが合算・付与される仕組みになっている。(a)または(b)の工事は必須で、(c)~(h)はオプションと考えると分かりやすいだろう。(c)~(h)のリフォームは単独で工事してもポイントの発行対象にはならない。

ポイントの発行対象となるリフォーム工事の内容と発行ポイント数
 工事内容発行ポイント数
(a)窓の断熱改修
(ガラス交換、内窓の設置、外窓の交換)
改修した窓の面積と改修方法に応じて変動
(b)外壁、屋根・天井または床の断熱改修施工部位と改修方法に応じて変動
(c)バリアフリー改修
(手すりの設置、段差の解消、廊下幅の拡張)
上限5万ポイント
(d)太陽熱利用システムの設置一律2万ポイント
(e)節水型トイレの設置一律2万ポイント
(f)高断熱浴槽の設置一律2万ポイント
(g)リフォーム瑕疵保険への加入1契約当たり1万ポイント
(h)耐震改修一律15万ポイント(別枠加算)


 一例として、たとえば分譲マンションの区分所有者が自分の部屋をエコリフォームしたとしよう。内窓を設置(5万ポイントが発行)して、トイレを節水型トイレに交換。さらにリフォーム瑕疵保険に加入したとすると、(a)5万ポイント、(e)2万ポイント、(g)1万ポイントとなり、合計8万ポイントが区分所有者に付与される。


 また、今度は一戸建て住宅の所有者がマイホームをエコリフォームしたとする。外壁と屋根の断熱改修を行い(25万ポイントが発行)、同時にバリアフリー改修(4万ポイントが発行)と太陽熱利用システムを設置したとすると、(b)25万ポイント、(c)4万ポイント、(d)2万ポイントとなり、合計は31万ポイントとなる。ただ、エコリフォームのポイント発行数は戸当たり上限30万ポイントと決まっているので、1万ポイントは超過分となり、最終的に30万ポイントが所有者に付与される。当然ながら青天井ではないのだ。


 希有な例かもしれないが、同一の住宅をポイント付与期間中に2回エコリフォームしたとしても、戸当たり上限30万ポイントに変更はないので、超過分は付与の対象外となる。公平性を考慮した結果なのだろう。ここでは「上限」=「通算」と理解しておきたい。


 なお、(a)または(b)の必須工事と同時に(h)の耐震改修も実施した場合、耐震改修工事は上限30万ポイントとは別枠でポイント加算(15万ポイント)が可能になる。必須工事に耐震工事を含めたエコリフォームを実施すると、最大45万ポイント(30万ポイント+15万ポイント)が付与されることになる。住宅の耐震化を促進させたいという政策的な意図がその背景にあるからだ。「いつかは耐震工事をしなければ…」と考えていた人は、これを契機に重い腰を挙げてみてはいかがだろうか。


対象になる工事期間、ポイント申請や交換の期限は

 最後に、対象となる工事期間とポイント発行の申請期間、ポイントの交換期限をそれぞれ確認しておこう。今年10月末までに着工しないと間に合わないことを、まずは頭に入れておきたい。

工事対象期間(建築着工または工事着工)
エコ住宅の新築2011年10月21日~2012年10月31日
エコリフォーム2011年11月21日~2012年10月31日


ポイント発行の申請期間(締め切り日)
エコ住宅の新築戸建て住宅~2013年4月30日
共同住宅(階数10以下)~2013年10月31日
共同住宅(階数11以上)~2014年10月31日
エコリフォーム下記以外~2013年1月31日
耐震改修を行う共同住宅(階数10以下)~2013年10月31日
耐震改修を行う共同住宅(階数11以上)~2014年10月31日

※階数とは地階も含めた階数となる
※発行申請の受付開始日:2012年1月25日

ポイントの交換期限
エコ住宅の新築2015年1月31日まで
エコリフォーム


 今回の住宅エコポイント再開の最大の狙いは被災地の復興支援になる。このことを忘れずに、上手にポイントを活用してほしい。



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[2012/2/8]

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住宅コンサルタント 平賀 功一

e住まい探しドットコム代表。ネットを中心に公平・中立なスタンスで「失敗しない住宅選び」のための情報発信を行う。


e住まい探しドットコム http://www.e-sumaisagashi.com/


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