マンション購入 トレンドウオッチ
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第144回 マンション不況再突入はあるのか 2011年後半の市場を占う
まずは新築マンションの月間契約率から見てみよう。幸運にも3月の巨大地震を境に大きく下落することはなく、震災後も80%近い契約率を維持している(図表2)。思いのほか堅調なのだ。そのせいか、販売価格の推移を見ても全体として下がり続ける様子はない(図表3)。個別マンションごとの好調・不調はあるにしても、マーケットという総体で見た場合、決して販売価格は下振れていない。不動産経済研究所によると、3月は19物件(484戸)、4月は6物件(29戸)、そして5月は20物件(838戸)の分譲マンションが首都圏では即日完売している。売れ行きが鈍化している様子は数字の上からは微塵も感じられない。

| 東京都区部 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 | 首都圏全体 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2011年5月 | 5,742 | 4,251 | 3,361 | 3,982 | 4,719 |
| 2011年4月 | 5,334 | 4,118 | 3,634 | 3,090 | 4,663 |
| 2011年3月 | 5,415 | 4,428 | 3,983 | 3,762 | 4,674 |
| 2011年2月 | 5,135 | 4,472 | 3,942 | 3,913 | 4,717 |
| 2011年1月 | 4,923 | 3,692 | 3,178 | 4,163 | 4,238 |
(出所)不動産経済研究所
こうした現状から総合判断すると、年後半のマンション価格は弱含むどころか、むしろ一部で強気に出てくるのではないかと予想される。特に耐震性に優れ、備蓄倉庫や自家発電装置などを完備した震災対応能力のあるマンションには注目が集まりやすくなる。
そのうえ、分譲マンションの新設着工戸数も回復軌道に乗り始めており、住宅税制が向かい風であることを除けば、市場環境がマンション不況に陥る要素はほとんど見当たらない。震災月(3月)には前年比マイナス1.3%まで減少した分譲マンション着工戸数(国交省)だが、4月にはプラス11.8%、5月にはプラス138.1%というV字回復を果たしている。マンション販売に黄色信号が灯されたのは、工場の被災やサプライチェーンの寸断による部資材の不足、また、被災地に配慮した営業自粛といった「供給面での制約」が原因だった。決して需要(購入意欲)そのものが減退しているわけではなく、あくまで「売り手側の都合」でしかなかった。
大手デベロッパーの来年度の決算予想を見てみると、その多くが引き渡し時期の遅れなどを理由に減収や減益との見通しを示している。しかし、上方修正されるのに時間はかからないだろう。マンション市場のセンチメントは底堅く、タワーマンション人気も変わらない。「谷、深ければ山高し」といった格言があるように、今秋には正常化するものと筆者は考えている。過度な悲観は不要というわけだ。再び「買い手市場」が到来することは間違いない。これからマンションを買おうという人は震災対応性を選択基準に、理想のマンション探しに専念して大丈夫だ。
◇
[2011/7/13]
住宅コンサルタント 平賀 功一

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