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特集:基準地価

東北の基準地価5.3%下落 震災影響、下げ幅拡大

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 国土交通省が20日発表した東北6県の2011年の基準地価(7月1日時点)は全用途平均で前年に比べ5.3%下落した。下落率は0.7ポイント拡大した。用途別では住宅地が4.4%下落(前年は3.8%下落)、商業地が6.1%下落(同5.8%下落)と、それぞれ下落率が拡大した。東日本大震災の被害が大きかった地域で地価が大幅に下がった一方、被害を免れた高台などでは堅調な地点もあった。


 住宅地の価格が前年比16.0%下落し、東北6県で最大の落ち込みとなった岩手県陸前高田市の松峰地区。津波被害を受けた名勝「高田松原」で唯一生き残った一本松から車で10分ほどに位置する高台の住宅地だ。


 地区のふもとの数軒の民家は浸水被害があったが、住宅の多くは目立った被害を受けず震災前とかわらぬたたずまい。地価の大幅下落は「震災後の生活環境が大きく変化したからではないか」と地元不動産会社、おいかわ不動産の及川一彦社長は指摘する。


 松峰地区はJR陸前高田駅や周辺の商店街から車で10~15分の範囲だが、これらの施設はすべて津波で流された。松峰地区に住む高齢の女性は「週に1度来る移動販売車は品数が少ない。(内陸部の)岩手県遠野市などのスーパーまで車で30分以上かけて買い物に行く」と語る。


 沿岸部で津波被害を受けなかった地域では、地価が上昇した地点もある。


 宮城県石巻市のあけぼの地区は0.2%上昇し、東北6県で唯一地価が上がった。死者が3000人以上に達した石巻市の中でも同地区は津波被害が全くなかった。水道や電気も約1週間で復旧。近隣にイオンやヨークベニマル、大手ホームセンターのホーマックなど商業施設が集積していることも評価されている。


 震災後、同地区にある大手住宅メーカーの営業所には石巻市内で被災した住民らから住宅用地の購入希望が増えた。長らく空き地だった区画では別の住宅メーカーが建設を始めたという。大手住宅メーカーの営業担当者は「土地所有者は強気になり、1坪(約3.3平方メートル)あたりの価格が毎週1万円ずつ上がった話も聞く」と話す。



 国土交通省による被災地の基準地価に関する調査は津波被害を受けても比較的に被災の度合いが軽かった地域を対象に実施された。津波で市街地が流失した地域や原発事故の影響で地価の算定が困難な地域は調査を休止した。岩手、宮城、福島の3県では調査地点の6.6%に当たる86カ所が休止となった。調査を休止した地点では地価がさらに下落している可能性があるという。


>>次ページ 被災地の商業地、爪痕深く


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