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特集:基準地価

危うさ潜む地価上昇 投資マネー主導 鮮明に

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 2016年の基準地価は札幌市や広島市など地方中核都市で上昇が鮮明になった。追い風となったのは、マイナス金利や訪日外国人の増加などを背景とする中心地の再開発だ。もっとも、投資マネーが主導する地価の上昇には危うさも潜む。地価が上がり続けるかどうかは、訪日客の動向など実需が鍵を握る。


路線価の5倍


 福岡県の商業地は前年の0.2%下落から1.1%上昇に転じた。けん引したのはホテル建設ラッシュが続く博多駅周辺だ。18年度までの新規供給客室は1000室超。用地の入札は過熱ぎみで「2月には大阪のデベロッパーが路線価の5倍に近い高値で落札した」(金融機関)という。


 全国の商業地の上昇率トップ10(11地点)のうち、東京は2カ所のみ。名古屋と大阪に加え京都や金沢でも25%以上の上昇地点が出た。都市未来総合研究所の平山重雄氏は「06~07年のミニバブル期と同じ傾向。東京の物件取得が難しくなり、投資資金が地方に流れている」と話す。

 広島東洋カープの25年ぶりのリーグ優勝に沸く広島市の中心部では15%を超す上昇地点が出た。ここ数年、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)やパルコなど大型商業施設の開業や改装が相次ぎ、集客力が増している。

 異常値のような数字も出始めた。住宅地の上昇率が27.3%と全国1位になった北海道の倶知安。ニセコのスキーリゾートを目当てに別荘を建てたい外国人の購入希望が殺到している。将来のホテル開発を見越した青田買いも盛んで、林地の上昇率は全国トップの23.8%だった。


 訪日客はなお増えている。しかし、1人当たりの旅行支出は4~6月に前年同期比で1割近く減った。訪日客の消費拡大を当て込んだ不動産の争奪戦が、いつまでも続くとは限らない。


 住宅地には変調の兆しがある。東京都多摩市や神奈川県鎌倉市は上昇から下落に転じ、千葉県船橋市や横浜市は上昇率が鈍った。文教地区の名古屋市千種区の上昇率は昨年の4.1%に対し、今回は1.8%。「マンション価格が一戸建てを上回ったのが理由」(東京カンテイ)という。


 マイナス金利で運用難が極まり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)やゆうちょ銀行は不動産投資に乗り出す方針だ。しかし、それは必ずしも実需を伴った投資とはいえない。


立地で選別も


 今後は立地による選別が強まりそうだ。昨年12月に地下鉄東西線が開通した仙台市では、新駅の近くに1割を超す上昇地点が出た。一方で、住宅地の下落率4位には神奈川県三浦市の尾上町が入った。東京圏だが、交通の便が良くない。
 三井住友トラスト基礎研究所の北村邦夫氏は「女性や高齢者の就業が増えており、人や企業が駅の近くに集まる傾向がある」と指摘する。


[2016/9/21付 日本経済新聞 朝刊]

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