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特集:基準地価

都市圏、再開発で上昇 商業地も活況続く、増税でペースは和らぐ

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 2014年の基準地価は景気の緩やかな回復を映し、三大都市圏の上昇傾向が鮮明になった。住宅地は6年ぶりに上昇、勢いは郊外に広がる。都心で相次ぐ再開発計画も商業地の地価を押し上げている。ただ、消費増税後の住宅需要は低迷し、地価上昇のペースは和らいでいる。地方との二極化も進んでおり、地価は回復力を試されている。


 東京湾を臨む52階建てマンション「ドゥ・トゥール キャナル&スパ」(東京・中央)。中心価格帯は6千万~7千万円と周辺相場より2千万~3千万程度高いとされるが、5月の販売第1期に300戸を発売した。開発した住友不動産が同月中に追加で200戸を発売する人気ぶりだった。

 6年ぶりに上昇した三大都市圏の住宅地。東京五輪の開催でインフラ整備に弾みがつくとの期待感も加わり、東京の臨海部では大型マンションの建設に沸いている。東京圏の住宅地で上昇率が1位だったのは中央区月島の10.8%だった。


郊外に波及

 「郊外で強気な価格設定なのに、これほど売れるのか」。業界関係者の話題をさらっているのが、野村不動産が7月に売り出した「プラウドタワー立川」だ。坪単価は都心並みの342万円と周辺相場より3割程度高いが、第1期の230戸が即日完売したという。

 大阪圏では枚方市楠葉が5.8%と住宅地の上昇率1位だった。大阪の中心部まで30分ほどのニュータウンで、最寄り駅では大型商業施設が3月に改装開業し、利便性が高まったことが評価された。根強い人気の阪神間を起点に地価上昇の動きは郊外へ広がる。

 商業地の活況も続く。ある不動産投資信託(REIT)は今春、大阪圏の中心部に立地する複合ビルの取得を検討したが応札を断念した。最終的に取得した外資系ファンドの落札額はこのREITが上限と考えていた価格をさらに約1割上回る水準だったという。

 SMBC日興証券によると、上場REITによる1~8月の物件取得は9156億円と前年同期から41%減った。競合激化で物件価格が上昇、想定利回りを確保できないケースが増えているからだ。あるREIT幹部は「(個人や法人が)自分たちより2割ほど高い価格を提示してくる例も少なくない」と明かす。


新幹線効果

 「こんな活況は初めてだ」。北陸ミサワホームの林諭高社長は驚きを隠さない。全国の商業地で上昇率首位は金沢市(15.8%)だった。来年3月に北陸新幹線が開業すると東京と2時間半で結ばれる。駅前で再開発が進み、その変貌ぶりには地元で長く取引に携わる不動産業者も目を見張る。空き物件の問い合わせを受けても応えられない状況が続くという。


 名古屋駅の周辺では27年のリニア中央新幹線の開業を見据えた動きが出ている。地元の不動産鑑定士は「商業集積が比較的遅れていた西口が地価上昇率で上位に顔を出してきた」とリニア効果を口にする。


 明るさが増したようにみえる三大都市圏の地価に死角はないのか。


 変動率の動きをみると、地価反転が早かった地域では伸び悩みの兆しもみえる。例えば名古屋圏の住宅地では14年の前年比上昇率が13年より愛知県刈谷市で1.7ポイント、安城市で1.8ポイント低下した。みずほ証券の石沢卓志経営調査部上級研究員は「消費増税前の駆け込み購入の反動もあり、一部地域で地価上昇が息切れしている可能性がある」と警戒している。


[2014/9/19付 日本経済新聞 朝刊]

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