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特集:基準地価

都心周辺も土地需要

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 2013年の基準地価は、「アベノミクス効果」で投資家や企業、個人の心理が好転したことを反映し、三大都市圏の地価が上昇に転じた。商業施設やマンション需要の拡大で都心部の地価上昇に勢いがつき、土地需要は周辺部にも広がる。20年開催の東京五輪を見据え、臨海部の再開発への期待も盛り上がる。ただ、日本の不動産市場は震災リスクや人口減という構造問題を抱える。全国的な土地デフレが終息する道筋はまだ見えない。

 高級ブランドが集う銀座2丁目。今年の基準地価で最高地点となった「明治屋銀座ビル」は、上昇率も3.6%と東京圏の商業地の平均(0.6%)を大幅に上回った。入居するダンヒル銀座本店の来店客数は前年同月比2ケタ増が続き、外国人観光客の姿も目立つ。

 7%上昇の大阪市北区梅田1丁目では、JR大阪駅周辺の再開発が進む。4月に開業した大型複合施設「グランフロント大阪」は年2500万人の来場者を見込む。名古屋圏も15年末までに3棟の超高層ビルが完成する名古屋駅前が活況だ。

 周辺部にも土地需要が広がる。昨年5月開業の東京スカイツリーから2キロメートル離れた浅草寺周辺の地価は5.3%上昇。飲食店などの開業が相次ぎ「大通りのビルに空きはなく、裏通りもすぐに埋まる」(不動産業者)。

 東京や横浜方面へのアクセスが良く、再開発が進む武蔵小杉駅(川崎市)近くの上昇率は13.4%と全国の商業地で最大を記録。企業や大学の移転が進む東京・中野駅前も3.2%上がった。


REIT、商業ビル取得

 商業用不動産を積極的に取得しているのが不動産投資信託(REIT)だ。ヨドバシカメラの吉祥寺店(東京都武蔵野市)など、今年に入って数百億円規模の大型物件の取得が相次ぐ。


 住宅地では好調なマンション販売が追い風だ。


 最高価格は5億4000万円――。三菱地所が東京・千代田の千鳥ケ淵沿いで開発した物件は、リーマン・ショック後に発売のマンションで最も高額と話題になった。同社も「売り出すのに勇気が要った」と振り返るほどだが、蓋を開けると全22戸が瞬時に完売した。


五輪決定、マンション活況

東京五輪を控え臨海部のマンションの人気は高まっている

 「五輪が決まり地価が上がりそうなので急いで来た」。13日、三菱地所が東京・晴海で分譲中の高層マンションのモデルルームを訪れた女性は興奮気味。見学者は1日60組と五輪決定前から倍増した。営業担当者は「西に選手村が見えます」とアピールする。

 「選手村や競技場が建設される晴海や有明を案内してほしい」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券でREITを担当する竹内一史氏のもとに欧州の機関投資家から要望が舞い込む。五輪は海外マネーを日本に呼び込む契機にもなる。

 明るさが広がる大都市圏の地価だが、一部にはひずみも生じている。


 上昇率が11.6%に達した千葉県木更津市牛込の住宅地。大型商業施設「三井アウトレットパーク木更津」が昨春に開業し、東京などから客が押し寄せる。ただ、造成された宅地で建物はまばら。地元の不動産業者は「地主の期待先行で地価が上昇し、実態を反映していない」と明かす。


[2013/9/20付 日本経済新聞 朝刊]

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