文学部教授のSさんは奥さんと2人暮らしです。2階建ての家は2人で暮らすには十分なはずですが、現実には手狭です。原因は、教授の蔵書がなんと4万冊に及ぶこと。2階全部が書庫なのに、それでも本は納まらず、1階住居まではみ出しています。今回は、この膨大な量の本の収納計画をシミュレ−ションしてみましょう。
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| リフォーム前の間取り |  | リフォーム後の間取り |
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【リフォーム前】 | |
| リフォーム前:茶の間も本棚に占領されている |
奥さんが言うには、本が家中に氾濫(はんらん)して、日常生活も不便きわまりないとのこと。そんな時、突然、敷地の買い増しができることになりました。この機を逃してはなるまいと、書庫の増築を決心したのです。S教授夫妻が出してきたリフォームの条件は、次の通りです。
(1)生活の場から本を追い出したい
(2)書庫を新たに設けてほしい
(3)2階の既存書庫の収納量も増やしたい
(4)広い居間が欲しい
(5)工事費は1500万円以内に収めてほしい
【リフォーム後】 敷地が広くなったので、1・2階ともに増築する計画です。2階は書庫、1階増築部分は新しい居間にあてます。
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| リフォーム後:2階新書庫 |
15畳の書庫を新設 2階の新しい書庫は、既存の書庫とつながっていて、15畳の広さです。窓は極めて少なく、4つの壁面すべてに書棚が設けられています。また、部屋の中央にも本棚を置きます。この書庫は第2の書斎としても用いるため、机も設置されています。
新旧の書庫を合わせてすべての蔵書を収納 既存書庫もリフォームして本棚の量を増やしました。この既存書庫と新しい書庫とを合わせると、蔵書量は大幅なアップです。とうとう1階の生活の場から本が姿を消しました。S教授は「私も茶の間に本があるのはうっとうしかったですから、もう書庫以外に本は置きません」とおっしゃっています。
広く明るい居間を増築 1階は既存の茶の間を食堂にリフォームし、増築部分を居間にしました。新しい居間の広さは17.5畳あります。三方を庭に囲まれた、気持ちのよい空間が出現しました。
以上で工事費は1420万円に収まりました。
 |  |  | | ※各部屋の改装費には、建築工事費、設備工事費を含む |
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| 食堂および居間を見る |  |
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| 居間から食堂方向を見る |  |
[ 2005年6月2日 ]
執筆者プロフィル
根岸俊雄:建築家、根岸俊雄都市建築事務所主宰
これまでに手がけた住宅は約50軒。日本的風土や生活に根ざした開放的間取りづくり、空間コミュニケーションづくりを実践。作品が雑誌やテレビなどに取り上げられることが多い。大妻女子大学ライフデザイン学科非常勤講師。主な著書に「住まいは十の箱づくりから」、「おばあちゃんちの楽しかった土間」(いずれも日経BP社発行)。
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