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クリエーターたちの挑戦
Habuka Takao
羽深隆雄さん(建築家、栴工房設計事務所)
木には作法があります
問「木には様々な種類がありますが、住宅に使う木を選ぶときの注意点は?」
 国産のムク材にあこがれてはいても、出回っている量も少なく、高価でなかなか手が出ないと考えている人は多いでしょう。そのせいか、20年ほど前から、真っすぐで製材しやすい(歩留まりのよい)輸入材を中心にした集成材が多用されてきました。しかし、最近になって、輸入材が日本の風土に合わないことや、接着剤に対するアレルギーなど、様々な問題が起こっているのです。

 今、木材をとりまく環境は変わりつつあります。国内の山林がそろって伐採期を迎え、安定供給の時期に入ったため、国産材は安く手に入るようになったのです。そして、ムク材の需要が増えれば、これから安定した価格でムク材がどんどん出てくることになります。

 もちろん、ムク材にも短所はあります。収縮して、反るし、割れます。少し専門的になりますが、これまでの技術では、原木を摂氏70度くらいで乾燥させ、含水率を20%以下にするのが一般的でした。しかし、最近になって110度程度の高温で木の小口側から乾燥させることで、含水率を15%まで落とす技術が登場したのです。この技術のおかげで、木が割れなくなりました。「量が少ない」「高価」「収縮する」というムク材の3つの難点が解決したのです。

 一言でムク材と言っても、種類は豊富です。最初は、日本でなじみの深いスギから始めるとよいでしょう。優等生でムラがないヒノキと違って、スギの質感はバラエティーに富み、つやがあって面白いのです。私の一番好きな木でもあります。スギは全国で採れるうえに、柔かいので扱いやすく、肌ざわりがやさしい。米マツより粘りがあり、住宅のどこにでも、まんべんなく使えるのも魅力です。

 実際に選ぶときには、まず、色に注意して、必ず含水率の低いスギを選ぶこと。木に詳しい業者に頼むにしても、試しに材木屋に顔を出して話を聞いたり、地方の材木市に出かけてみてはいかがでしょうか。

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