TOPLiving Styleクリエーターたちの挑戦

クリエーターたちの挑戦
Horiki Eriko
堀木エリ子さん(和紙デザイナー)
和紙はダイナミックに空気感を演出する素材です。
問「伝統工芸の和紙を現代の住まいにどのように生かせるのでしょう」
 昔ながらの日本家屋では、障子越しに感じる太陽光や草木の影の移ろいで、室内に居ながらにして自然を感じることができました。しかし、現在では隣家が建て込み、窓があっても光が射さないこともあります。
それならば、例えば照明と和紙を一体化してデザインし、その情緒、情感を現代によみがえらせないでしょうか。そうすることで、ただ単に和紙を使えばよいという表面的な模倣ではなく、日本人の根底に流れる美意識をしっかりと伝えていきたいと考えています。

東京デザインセンターでの展覧会(1998)。このテーマは「米子コンベンションセンター」貴賓室の光壁として納入している(写真:淺川敏)。

 また、住宅は色々なものが混在している空間です。調和を考えて使うことが大切ですが、天井、光壁、光柱のように、環境として住まいの中に取り込み、空間シーンを変えられるような提案をしたいと思っています。
問「建築空間に目を向けたのは、なぜですか」

ホテル「四季彩一力」の和紙モニュメント。
設計は羽深隆雄+栴工房設計事務所
(写真:高橋のぼる)。
 今は機械で漉いた和紙が安く出回る時代です。しかし、コウゾやミツマタを原料に昔ながらの手法で手漉きした和紙にはかないません。なぜならパルプを原料に漂白剤を使う機械漉きの和紙は、しばらくすると黄ばみますが、手漉きの和紙はほとんど変色しないのです。

 コストでは勝てません。でも、手漉きの良さをどうしても分かってほしかった。だから文具などの消耗品ではなく、機械漉きと手漉きとで差がでる建築やインテリアに目を向けることに。以前から壁紙などには使われていましたが、もっとテクスチュアとしての可能性があると確信していましたし、既存のものにはない、より大胆なデザインを提案したいと考えました。

おすすめ情報(PR)