TOPLiving Styleクリエーターたちの挑戦

クリエーターたちの挑戦
Enomoto Fumio
榎本 文夫さん(インテリアデザイナー)
素材が持つ可能性を引き出すデザイン
lead
問「大学で教える以外に、現在、手掛けている仕事は」
 今は「デザインとは何か」ということをじっくり考えたいですね。家具デザインにしても、これまでメーカーの商品開発が中心でしたが、経済性に左右されない仕事がしたくなりました。自分が本当に欲しいと思うものを、自分でつくって自分で売る。そんなことを考えています。
実験家具。素材はシナ単板合板
 この椅子(いす)は、昨年の「東京デザイナーズウィーク」に出展したものです。榎本ブランド第一号として、商品化しようと思っています。テーマは「実験家具」。合板という素材のもつ可能性を引き出す試みでした。

 ふつう、合板で椅子をつくるときは、成形して座面にカーブをつけます。板でありながら、丸みのあるフォルムに固定してしまうわけです。そうではなく、見た目はソリッドな台なのに、座ってみると柔らかい。そんなものがつくれないかな、とずっと考えていました。

 その答えが、座面に刻んだスリット。これによって、座ると体重を受けて柔らかくたわみます。スリットを表面に見せたものと、その裏使いの2タイプつくりましたが、座ったときの感触はほぼ同じ。なぜか前者は男性に評判がよく、女性には後者が好まれるようです。
問「珍しい素材を使った椅子もありますね」
 今の時代ですから、エコロジカルな素材に注目しています。この椅子の座面に使っているのは、段ボールの再生材。そもそも段ボールは、何度でもリサイクルして使える材料ですが、再生を繰り返すうちに繊維が短くなっていきます。もう段ボールとしては再生できなくなったものを、どろどろに溶かして型に入れ、圧縮成型したのがこの素材。ハニカム(蜂の巣)状のリブをつけ、強度を持たせています。
段ボールの再生材を使ったハニカムチェア
 もとは、輸送用のパレットに使われる板状の材料です。「原料は紙」と聞いて、それなら曲がるのでは、と思いつき、椅子の形にしてみたわけです。脚はスチールパイプ。安い材料ばかりです。これも、いずれ商品化したいと考えています。
エレコム・IT生活用品「NEW BASIC STYLE“N series”」
コンピューターを中心とした、新しいライフスタイルを提案する商品群。文机、座椅子、デスクアクセサリー、キャリーバッグなどをトータルにデザインした

おすすめ情報(PR)