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クリエーターたちの挑戦
Kawakami Tomoko
川上智子さん(パフュームデザイナー)
夢や喜びのメッセージを香りで伝えたい
lead
問「香りによる空間演出の実際は?」
 昨年は「世界最大の恐竜博2002」の展示空間で、「ジュラ紀の香り」を演出しました。といっても、当時の空気や匂いを学術的に再現する試みではありません。かといって、何の根拠もないわけではないのです。

 ジュラ紀には、まだ種を結ぶ被子植物は登場していません。恐竜が住んでいたのは、シダやソテツなどの裸子植物が生い茂る、湿った沼地だったはずです。水の匂い、シダの匂い……。それ自体はあまり強い香りではないけれど、恐竜が通り過ぎたあとは、踏みしだかれた植物が香気を発したことでしょう。そんなストーリーを組み立てて調香しました。
ロフテー眠りの文化ギャラリー・α 企画展「クレオパトラが愛した香りの寝室」(1991年開催)
 写真は、クレオパトラの寝室をイメージした展示です。英雄たちの心を捉えたクレオパトラは、たぐいまれな香りのセンスを持つ女性だったと考えます。古代エジプトでは、まだ香料の精製技術は確立されていませんが、彼女ならば、植物性の香りと動物性の香りが混じり合うと、えもいわれぬ効果を発揮することを知っていたでしょう。そこで、寝室にバラの花びらを敷きました。クレオパトラ自身は、動物性のジャコウの香油をまとっているという想定です。

 この空間に足を踏み入れると、まず床からたちのぼるバラの香りに包まれます。そして、ベッドに近づくに従って、だんだんとジャコウの香りが濃くなっていく。ベッドにたどりつくと、まるでさっきまでそこにクレオパトラがいたかのような、残り香が感じられるのです。
「MANDALA」オルタナティブミュージアム:古い木の匂い、燈火のロウが溶ける匂い、お香の煙や人いきれが入り混じる、チベットの寺院の空気を表現 「アロマスクエア」新宿ルミネ:歩きながらアロマテラピーを体験してもらう演出。植栽に隠したパフュームマシンから、リフレッシュ効果のある香りを漂わせた

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