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クリエーターたちの挑戦
Akiyama Chiemi
秋山千恵美さん(カラーデザイナー)
住まいの色をつくる楽しみを伝えたい
lead
問「空間と色の関係に注目したきっかけは」
 かつてはフラワーデザイナーとして、デパートやイベントスペースで花を生ける仕事をしていました。こうした空間で花を美しく引き立たせるには、背景の色がとても重要なんです。そのために、ペイントや布で色を演出しようと苦労しました。けれど、人工の色と自然の花の色を合わせるのは、とても難しい。その場の光による影響も考慮しなくてはなりません。そこで、色について本格的に学び始めたのです。
自然の色から触発されたカラーコーディネート例(秋山さんが主宰する雑誌「COLOR preview」vol.2より/http://www.colorpreview.co.jp/
 その後、海外の事情を知るためにアメリカに渡り、ペイントのカラーチャート製作会社に就職。カラーデザイナーとして働くようになり、彼我(ひが)の差に驚きました。日本には、自分で壁や家具をペイントして楽しもうという発想はあまりないし、やろうと思っても、DIYショップに並んだわずかな色のペンキから選ぶしかありません。

 ところが、あちらでは、日本のコンビニやドラッグストアと同じようにペイントショップがあって、壁の色選びが日常の話題になっている。日本でも、もっと自由に壁の色が選べるようになり、「住まいの色文化」が広まってほしいと願うようになりました。
問「現在は、住まいの色、特に壁の色について理解を広めようと努力しているのですね」
 日本人は、床材やカーテンにはこだわっても、壁は白と思い込んでいる傾向があります。けれども、カーテンを変えると部屋の印象が変わったように感じられるのは、実はカーテンが掛かった「壁面」が変わるからなのです。壁は、部屋を構成する一番広い「面」。住まいの色を考えるのに、欠かすことはできません。
壁のペイントによって、空間はがらりと表情を変える(「COLOR preview」vol.2より)
 何もカラフルな色を使わなくてもいいんです。単に「白い壁」と言っても、青っぽい白と黄みがかった白とでは、部屋の印象が全く違います。色の微妙なニュアンスやバリエーションを表現するのに、ペイントはうってつけの手段。左官壁やクロスに比べて色の選択肢が広く、自由度が高い。私たちのショールームでは、何千という見本から選び出した色を、5分程度でペンキにします。一度塗った後も、汚れたり飽きたりしたら塗り替えればいいのですから、メンテナンスを含めてローコスト。安全性の高い材料でもあります。

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