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クリエーターたちの挑戦
Tokujin Yoshioka
吉岡 徳仁さん(インテリア・プロダクトデザイナー)
モノの“内面”から変革するデザイン
lead
問「昨年は、無印良品のための住空間プロジェクトが話題になりましたね」
 1980年代に大量につくられた、ごく普通の3LDKのマンションを、まったく新しい住空間に生まれ変わらせる提案です。最初の打ち合わせをしている最中に、すぐにアイデアが浮かんできました。コンセプトは、「“何もない”をデザインする」。

 お金がなかった学生時代、それでも住空間を大事にするために、僕が編み出した方法は「何も置かないこと」でした。何もない部屋に、上質の白いシャツだけが掛かっている。そのことが逆に空間を豊かにし、ぜいたくな感覚を味わうことができたのです。
「MUJI+INFILL リノベーション」
 既存の間仕切り壁は取り外し、全体を一室の空間に。壁一面をスライド折り戸で覆い、その中に生活に必要な機能すべてを組み込みました。収納はもちろん、ランドリーやキッチンまで折り戸の内側に納めてあります。

 その目的は、さまざまなものを「隠す」ことではありません。折り戸の開閉によって、部屋そのものの用途を変化させる仕掛けなのです。

 キッチン部分の扉を開けば、部屋全体がキッチンとなり、閉めれば落ち着いたリビングに変わる。デスクスペースの扉を開けば、SOHOとしても機能します。住む人の目的に応じて変幻自在に使いこなせる、今までにない住空間が生まれました。
折り戸の中にさまざまな機能が納められている
問「折り戸などの素材には、何が使われているのですか」
 廃材と樹脂を半々に融合させた特殊な再生木材です。自然素材でありながら、工業素材でもある。耐久性に優れているうえ、厚く塗装する必要がないので、木の質感も残せます。もともとデッキ材として開発された素材を、改良して使用しました。

 収納内部の寸法は、無印良品のモジュール(基準寸法)に合わせてありますから、あとは住む人が、自分の使い勝手に合ったユニットやアイテムを選べば、すっぽり収まるようになっています。

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