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クリエーターたちの挑戦
Oki Sato
佐藤 大さん(建築家、デザイナー)
空間に、モノに、使う人に、物語を託すデザイン
lead
問「大学・大学院では建築を学んだそうですが、最初から建築に絞るつもりはなかったのですか」
 まったくありませんでした。ジャンルを限定せず、自由な発想、柔軟な姿勢でモノをつくりたい。だから、デザインオフィスの名前をnendo(ねんど)としたのです。

 nendo結成のきっかけは、大学院を修了した2002年、仲間と一緒に訪れた「ミラノ・サローネ(国際家具見本市)」でした。実はミラノ・サローネという展示会があること自体、そのとき初めて知ったんですが、行ってみるととても面白くて、「来年は我々も出展したいね」という話になったんです。
2003年ミラノ・サローネ、nendoの展示ブース「Streeterior」
問「それを見事に実現させたわけですね。ユニットを組んだ理由は?」
 デザインと、経営やPRの仕事を分離するためです。そうすれば、デザインに専念できるでしょう。

 ジャンルを問わず、デザインのコンセプトづくりはすべて私が担当。設計作業の必要な建築や内装については、ほかのスタッフと連携します。さらに、施工現場には1物件に1人、担当者を常駐させて、イメージ通りのクオリティーが実現できるよう監理を行っています。
問「ミラノ・サローネではどんな作品を展示したのですか」
 街 (Street)にあるものを室内(interior)に持ち込む、というテーマに沿った家具シリーズです。題して「Streeterior」。

 たとえば、路上で使われるカラーコーンは、風で倒れない安定性があり、持ち運べる程度に軽く、スタッキング(積み重ね)が可能、と極めて合理的な形状です。それを、別の素材・アバカヤシに置き換えることによって、安定感はそのままに、光を美しく透かすランプシェードに生まれ変わらせました。
cone-light
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 ほかに、「水を吸い取る」という連想から生まれた、マンホールのふたの形のバスマット、携帯電話と同じ発光体を用いた照明器具など。これらを、展示ブースの中につくったストリートに沿ってディスプレーしました。

 展示会という場では特に、明快でわかりやすいメッセージを発信しなければなりません。見る人、使う人にきちんと伝わる、デザインの「ストーリー」が大切だと考えています。

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