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クリエーターたちの挑戦
Ando Yoko
安東 陽子さん(テキスタイルコーディネーター・デザイナー)
空間と響き合う布の可能性を開く
lead
問「なぜ、空間の仕事を手掛けるようになったのですか」
 たまたま、ある文化施設のカーテンを担当したことがきっかけでした。設計者のイメージを聞いて生地を選び、初めて建築現場に納品に行ったのです。生地にアイロンをかけ、レールに吊って広げた瞬間、空間が鮮やかに変化するのを感じました。

 使ったのはごくごくシンプルな生地で、それ自体に目立った特徴があるわけではないんです。けれども、空間の中に立ち上がると、生地の質感とそこに漂う空気があいまって、新しい効果を生むんですね。それまで平面でしか見てこなかった布に、全く別の可能性があることを知りました。

 その後、何度か建築家と仕事をする機会を得て、建築そのものの魅力にも目を開かされました。布を通じて、建築や空間にかかわりたいと願うようになったのです。

「まつもと市民芸術館」レストラン/建築に使われているパターンをテキスタイルに反復させ、空間を柔らかくつなぐ(設計:伊東豊雄建築設計事務所 写真:上田宏)
問「主な仕事は、空間に合わせて生地をデザインすることなのですか」

 必ずしも、全部を自分でデザインするわけではありません。私たちのショップには常時400~500種類の生地が用意してありますし、そのうちのどれかをアレンジして使うことも多いんです。

 大切なのは、建築家がどんな空間をつくろうとしているのか、そのイメージをつかみ、それに合う生地を提案すること。私たちにはさまざまな素材、技法の蓄積がありますから、その空間に本当にぴったりしたオリジナル生地が提供できると思います。

「松本久夫商店」/オーガンジーに糸をはさんだ生地に、プラスチックのバーを縫い込み、障子のような効果をつくる(設計:飯田都之麿建築デザイン)

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