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クリエーターたちの挑戦
Sakai Toshihiko
酒井 俊彦さん(デザイナー)
メーカーの姿勢を商品に示すコンセプトをデザインする
lead
問「ディレクションの仕事が増えたきっかけは」
 2、3年前から少しずつ増えてきました。そもそも、自分でデザインするときも、まずコンセプトづくりから始めていましたし、それが当然だと思っていたんです。ところが意外なことに、コンセプトそのものにニーズがあったようです。今では、自分はデザインせず、コンセプト立案とスタイルの方向付けだけ行うケースも少なくありません。
問「具体的に、コンセプト立案からデザインへの流れを教えてください」
 たとえば、写真の「安倍川餅」の仕事は、最初、パッケージデザインのみの依頼でした。しかし、包みだけ新しくすることに何の意味があるでしょうか。それより、どんな場面で購入されるか、どんなふうに食べられるかを見直す必要がある。そう持ちかけたことから、中身も含めたディレクションを手掛けることになったのです。
松柏堂の「安倍川餅」。ワコールアートセンター主催「ランデヴープロジェクト」の一環として企画されたもの。写真:姫野清司(以下同)

 「安倍川餅」はお土産として贈答されるものですから、もらう人、贈る人、双方に喜ばれるものにしたい。それには、1個1個プラスチックで厳重にパックするより、包みを開けただけで、すぐに気持ちよく食べられるものがいいと考えました。

 パッケージは上品な桐箱。中身はちょうど1人分です。お菓子を固定する中仕切りは上ぶたに付属しているので、ふたを開ければ、お菓子がきちんと盛りつけられた状態で現れます。ようじも添えられているので、あとはお茶をいれるだけ。

 もらった人は手間をかけずに、ちょっと特別なお茶の時間が楽しめます。その時、きっと贈ってくれた人のことを思い起こすでしょう。お土産を通じて、いい関係を築くきっかけができると思います。

Massage chair RC401 Celebisu

 また、上の写真で目指したのは、「かっこいいマッサージチェア」ではなく、高機能でありながら「まともな」デザインのマッサージチェアです。

 デザイナーが手掛けたマッサージチェアはいくつか出ていますが、いずれもデザイン性を追求するため、リクライニングや足もみなどの機能が削られています。高性能を求めたければ、デザインには目をつぶらざるを得ない状況でした。

 そこで、他メーカーのどんな商品にも負けない機能と、室内に違和感なく置けるデザインの両立を目指したのが、このマッサージチェアというわけです。


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