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クリエーターたちの挑戦
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マインドスケープ(デザインチーム)したたかであざとくて不思議な植物の魅力をデザインで伝える
柳原博史さんと大西瞳さんを中心とするデザインチーム、マインドスケープは“植物”をメーンテーマに掲げて活動を行っている。本業はランドスケープデザイン(景観設計)だが、「植物の魅力を多くの人に伝えたい」と、オフィスや住空間、ベランダや屋上など、さまざまな場所で植物に親しむ提案を続ける。展覧会やワークショップも数多い。 その“植物から発想するデザイン”について聞いた。
 
問「そもそも柳原さんと大西さんにとって、植物の魅力とは何ですか」
大西 何より、植物には想像を絶するほどの色と形がありますよね。ただ美しいだけじゃなく、奇妙な形や不気味な姿をしていたり、不思議な色や模様がついていたり。その造形の面白さに加え、きれいな花を咲かせ、香りを放つことが、実は昆虫や動物を操る手段だというあざとさも魅力です。


「GREEN TIMES:植物ひみつ探検隊」国営昭和記念公園みどりの文化ゾーンオープニング企画展での展示。床から1メートルほどの高さの台に植えられた植物を、台に開けられた穴から首を出して見る。地面から頭を生やすように、植物と同じ目の高さで、その色や形、においを感じる装置
柳原 植物の中には、ちぎれて落ちてもそこから芽吹くものがある。人間や動物とはまるで違う生命システムを持っています。そのことに注目するようになってから、がぜん興味をひかれるようになりました。

大西 私たちが知っている“こんなに面白いこと”をみんなに伝えたい、共感してほしい、そんな気持ちがデザインの原点にあります。
「オゾンフェスティバル2003 親と子のお茶わん展」会場デザイン ご飯茶わんが稲穂の上に浮いているようなディスプレー。台座は柔らかな強化段ボール。農家から買い取った稲穂は、展示後ちゃんと精米して食べたそう(写真/石井雅義)
柳原 それに植物は、人間の生活に深くかかわっています。私たちは日ごろ、そのことを忘れがちですよね。
 
大西 タイヤだって、もともとはゴムの木の樹液からできているのだし、木綿や麻の原料も植物です。身の回りの多くの物が植物からつくられている。私たちも、植物によって生活そのものに影響を与えられるようなデザインをしたいと思っています。

柳原 住宅では、「ex-room」と呼ぶ提案をしています。たとえばマンションのベランダは、たいていは洗濯物や布団干しぐらいにしか使われていない。でも、植物を上手に配して庭のように仕立てれば、もうひとつの部屋として活用できます。お客さんを招く場所にもなるし、住まい全体が広く使えるようになります。

「K邸テラスガーデン」(写真/Mi-Yeon)
大西 個人住宅のテラスや庭をデザインすると、それまで花に水もやったことがないような人が、急に植物に愛情を注ぎ始める。その様子を目の当たりにするのも快感ですね。

柳原 枯らしたらどうしよう、なんて恐れなくていいんですよ。植物はほっといたらまた根付いたりして、動物では考えられないような生命力を持っているんですから。

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