デザイン性に優れたハイグレードな住まいを紹介。建て主の意見を盛り込みながら、建築家が自信作に込めた意図を読み解きます。 >バックナンバーはこちら
No.014
南側が全面開口のオープンな造りで
自然とのつながりを満喫
山梨県富士吉田市
S・Kさん宅
S・Kさんの住まいは、開放的な造りが特徴。空や雑木林の風景、地面(土)を取り込んだおおらかな空間となっています。建築家の保坂猛さんは、建物の奥から雑木林に向かって、グラデーション(段階的な変化)のように自然と一体化する空間を提案しました。最も自然に近いのが、南側の「ガーデンルーム」(ダイニング)。ここは雑木林に向かって全面開口となっており、のどかな風景を間近に感じることができます。床板は張らず、土がむき出しになっている点もユニーク。室内空間は全体的に間仕切りが少なく、ガラスのドアや掃き出し窓を多用しているため、寝室の奥からリビングやダイニングごしに雑木林にいるキジの姿を見ることさえ可能です。また、屋根には透明アクリルを採用。空の移り変わりをダイレクトに感じられます。「太陽が雲に隠れて光の加減が変る様子が見えたり、雨が降ると波紋が見えたりするんですよ」と、Kさんは自然を満喫する暮らしを楽しんでいます。
ロケーション
敷地は、西側と南側にそれぞれ幅2.5mほどの未舗装路が接する角地。周囲には2階建てと平屋の住宅が半々の割合で密集していますが、南側の道路の先は雑木林に。野生のキジやタヌキが時々顔を出す、豊かな自然が残っています。
いちばんのこだわりスペース
横にも上にも視線が抜ける
気持ちいい開放的な造り
「特定の部屋というより、全体的に開放的な造りが気に入っています」とKさん。横方向の視線の抜けもさることながら、上方向の開放感も相当なもの。天井に連続して走るV字型の梁は存在感があるため、透明アクリルの屋根は存在感が希薄になり、まるで屋根なしで空につながっているような感覚が味わえます。
建て主からの要望
- ● 自分たちでは想像もつかないものを提案してほしい。
- ● 冬場の冷え込みが厳しい土地柄、あたたかい家に。
- ● 特にキッチンまわりの収納を充実させたい。
建築家からの提案
- ● 屋外から屋内へのグラデーションを楽しめる個性的な住まいに。
- ● 発泡ウレタンによる外壁の外断熱や床暖房で冷え込みに対処した。
- ● アイランド型キッチンの内部と背面キャビネットで収納量を確保。


