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こだわりのデザイナーズ住宅

Housing File 02 「八王子の家」

町家をイメージした、風の通る住宅、外風呂のある中庭
ガラス張りの中廊下で、プライベート空間とパブリック空間をつなぐ
中廊下は中庭テラスをパブリックとプライベートの2つのテラスに分ける役割を併せ持つ。南から北に、そして西から東に向かうほどパブリックな空間になるという構成(写真:木田勝久)。

同レベルの中庭テラスとLDKの床、外と内が一体に
外と内を同じレベルにするため、水仕舞に気を使う。ドシェ材の木デッキの間隔をあけて敷き、デッキ全体で排水する。開口上端の高さはLDK天井より高く、LDKから中庭テラスは完全にオープンである。
  オーニングの開閉で日差しを調節する
軒の出を深くとって日差しを調節した日本家屋のように、オーニングは庇(ひさし)がわり。手で紐を引けば簡単に開閉できる。

青空が満喫できる究極のプライベート空間、外風呂
内風呂、洗面所と連続する開放的空間。オーニングと室内のカーテンを閉めれば、視線を隔絶することができる。水面のゆらめきが癒しの空間を演出。

外-内-外、中庭テラス、LDKそして裏庭
北側に配されたパブリック空間。外と内の連続性が快適な住み心地をもたらす。柱がない構造は空間利用の自由度が高い。キッチンの間仕切り収納は造作。

 この住宅は、公道に対して完全なプライバシーを保ちつつ、日本の気候に不可欠な風通しを実現する、伝統的な町屋の構成を応用したつくりにしている。敷地は木造2階建てが延々と続く、典型的な新興住宅地の一角にある。

 中庭を挟んで、南の道路側には個室が並ぶプライベート空間、北側にはパブリックな空間であるリビングルームを配している。道路側には、基本的に夜の時間を過ごす寝室を配した。南側に大きな窓が必要なく、プライバシーを守れるからである。

 一方、昼間の時間を過ごすリビングルームをあえて北側に配置したのは、この計画が平屋であり、最も日があたるポイントだからである。さらに中庭に面する窓は、空間いっぱいに大きくとった。


 すべての部屋の南北両面に窓があるため、夏には風が心地よい涼しさをもたらす。中庭は住戸と壁に囲まれ、周囲からのぞかれる心配はない。中庭に面した窓に、プライバシーを保つためのブラインドやカーテンは不要である。

 中庭は、ガラス張りの渡り廊下で2つに分割されている。1つは家族がほとんどの時間を過ごし、客も訪れるセミプライベート空間。オーニング(日除け)を閉じれば、子供室とリビングをつなぐ広い空間に早変わりする。

 紐(ひも)を引けば簡単に閉じることができるオーニングは、快適な日陰を提供する。夏場の暑いときでも、エアコンはほとんど必要がない。冬場はオーニングを開ければ、心地よい日差しがリビングの中まで入り込み、暖かい。

 小さい方の中庭には、お風呂好きなご主人のための外風呂がある。渡り廊下のカーテンを閉じれば、プライバシーが保たれた露天風呂になる。横2.7メートル、幅0.9メートルの風呂は、子供にとっては格好のプールである。

  広い中庭では子供が走りまわり、外風呂にもほとんど毎日のように水が張られているそうである。
(手塚貴晴+手塚由比・手塚建築研究所)



「八王子の家」


建築データ
  所在地: 東京都八王子市
  家族構成: 夫婦、子供1人
  竣工: 2000年7月
  敷地: 227.20平方メートル
  建築面積: 90.85平方メートル
  延べ床面積: 90.85平方メートル
  構造・規模: 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、地下1階地上1階建て
  設計: 手塚貴晴+手塚由比・手塚建築研究所
  写真: 木田勝久、手塚建築研究所
  イラスト: 手塚建築研究所
連絡先
  手塚建築研究所
  代表: 手塚貴晴(てづか・たかはる)、
手塚由比(てづか・ゆい)
  住所: 〒158-0087
東京都世田谷区玉堤1-29-2
  TEL: 03-3703-7056
  FAX: 03-3703-7038
  HP: http://www.tezuka-arch.com
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