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こだわりのデザイナーズ住宅

Housing File 13 「陽だまりハウス」

心身を包み込む「エネルギー回復装置」、光と風が通り抜ける吹き抜けリビングの家

変化に対応する吹き抜けのリビング
吹き抜けとしたリビングスペースは、将来のライフステージの変化に合わせ、部屋を増設できる設計

光と風が通り抜ける空間
リビング&ダイニングキッチンと一体化するルーフテラス。開放的な空間とするため、アルミサッシのフレームもできるだけ細く設えた。テラスには木格子を設置し、隣家とのプライバシーを確保

視線を遮らない階段室
強度の高い集成材を使用し、踏み板の厚さは、建築基準法で定められた最小厚さの60ミリメートルとした
「坪庭」を持つ浴室
ヒノキと御影石張りの浴室。北側に設置した坪庭をフレームインで楽しむ
外界を取り込む玄関
足下に設けられた窓が、玄関に広がりを与える。将来、物置が設置できるよう、十分なスペースを確保した
光と風を遮らない設計
隣接する南側の建物が平屋という立地を生かし、通風、採光を遮らないよう、バルコニーにはステンレスのフレームとパンチングメタルを設置した
道行く人の視線への配慮
外壁はマジックコートの左官仕上げ。手の温もりを感じさせるフォルムに、ベイマツとステンレスがアクセントとなる

 さいたまスーパーアリーナを核として、官公庁の建物が建ち並ぶさいたま新都心。ここ数年、劇的に発展し続ける街です。近代的な超高層ビルと道を1本隔てて、古くからの街並みが残る一角に「陽だまりハウス」はあります。

 施主は、この地に長く住む30代半ばのご夫婦。それぞれ趣味も多く、日夜、様々な来訪者があるとのこと。建物の計画に際して、「人を招き入れる、明るい開放的な空間をつくってほしい」、これが第一の条件でした。

 南側に隣接する家は、いずれも平屋という立地を最大限に生かすため、広く、明るい、陽だまりの空間づくりを目指しました。南東に設けたルーフテラスは、さわやかな朝日を取り込む「光の庭」です。目隠し木格子は、ルーフテラスを視覚的に室内のように感じさせ、広がりを見せる役割があります。

 光の庭に面したダイニングキッチンは、奥さんの希望にこたえたプランとしました。水回りを北側に集中し、日の当たるスペースをより広く確保した上で、調理や洗濯物の出し入れなど、日常の家事動線を効率よく処理しています。また、ゲストが多いため、特注のキッチンは、ルーフテラスやリビングを臨むアイランド式の配置としました。

 リビング&ダイニングキッチンにルーフテラスを取り込み、さらに3階のフリースペースへ吹き抜けさせたことで、一大空間づくりに成功しました。その上で、窓から入り込む風を生かし、風の通り道をつくる、いわゆる「町屋建築」を想定し、北側にも開口部を設けました。

 2階全体は、ヒノキ無垢(むく)材のフローリング。床暖房を設置していますが、ヒノキ自体が、ふんだんに降り注ぐ太陽の熱を蓄熱し、暖房費の軽減に大きく貢献しています。

 また、この建物は、屋根および天井が南から北へ若干傾斜しています。北側の壁に設けた排気口から、室内で上昇した熱気を自然排出する仕掛けです。さらに、吹き抜けの3階の天井には、天井扇を設置。冬は、暖かい空気を2階へ循環させます。自然の風の流れを利用し、光熱費を最小限に抑えながら、快適な住空間を確保します。

 2階和室スペースに設けた飾り棚には、奥さんの趣味である陶芸の作品が並びます。階段室に面しているため、階段を行き来する人のための小さなギャラリーにもなります。

 一方、ご主人の趣味はギター。仲間が集まりバンド活動をするために、防音の音楽ルームを1階に設けました。客間の和室に隣接していますが、駐車場から出入りさせることで、住空間から遮断された、完全なプライベートスペースとなっています。

 私が、建築家として、家づくりで重要だと考えていることは、自然環境と人と建物が、調和することです。特に、光や風を取り込むことを意識しています。また、家は、住む人の「エネルギー回復装置」でなければなりません。「明日へのエネルギーを培う家」、それが私の大きなテーマです。そして、1世代、2世代と住み続けていくために、家族構成の変化や住まい方の変容を柔軟に受け止めることのできるプランを、クライアントに提供する、建築家にはその責任があると思っています。
(原 雅之・雅クリエイト)


「陽だまりハウス」


建築データ
  所在地: 埼玉県さいたま市
  家族構成: 夫婦2人
  竣工: 2002年9月
  敷地: 111.97平方メートル
  建築面積: 80.45平方メートル
  延べ床面積: 133.95平方メートル
  構造・規模: 木造、地上3階建て
  総工費:

約2600万円(外構、設備、照明器具込み)

  設計: 原 雅之(有限会社 雅クリエイト)
  構造: 関根建築設計事務所
  写真提供: サトウ写真場
連絡先
  有限会社 雅クリエイト
  代表: 原 雅之
  住所: 〒338-0001
埼玉県さいたま市中央区
上落合5-15-8 シス-F号室
  TEL: 048-858-7666
  FAX: 048-858-7666
  E-MAIL: h431968m@ea.mbn.or.jp
  HP: http://plaza11.mbn.or.jp/
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