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Housing File 134「中原の家」

家の中を縦横に走る吹き抜け、上下階を結び、空間を分ける


前面にゆとりを持たせて閉じる

道路側外観。前面道路は人通りがあるので、窓は最小限に。車の出し入れがしやすいように前庭にゆとりを持たせ、写真左手に2台分の駐車スペースを確保した。木の壁の右手に玄関がある


無柱で内外が連続する1階空間

玄関側から1階を見通す。右手前がリビング、左手奥がダイニングキッチン。右奥の中庭も室内と同じレベルで続く。2階は屋根から吊ってあるため、1階は柱のない連続空間となる


十字型の吹き抜けでゾーンが分かれる

中庭側から1階を見通す。2階の床によって天井高が抑えられる部分が、それぞれリビングや客間などの居場所として意識される。オブジェのようならせん階段の裏手が玄関にあたる


吹き抜けで1階につながる2階個室

吹き抜けを見下ろす。天井から吊り下げられた箱のような部屋が子ども室。吹き抜けに面した開口部が1階LDKとの接点になる


落ち着いた主寝室

2階主寝室。写真正面の障子窓は吹き抜けに面しており、その向こうの中庭へと視線が抜ける


個室同士を吹き抜けが適度に隔てる

らせん階段の上から十字型の吹き抜けを見通す。写真右手が子ども室、左が洗面室。左奥が主寝室にあたる。2つの階段によって動線は行き止まりなく続くが、個室同士は直接壁を接することなく、プライバシーが保たれる


 建て主は、幼い2人の子どもを持つご夫婦です。住み替えにあたって、特とくに気にかけていたのは「家の中のつながりが保たれること」でした。以前の家は小規模な戸建てながら、各部屋が分断されているように感じたそうです。

 敷地は約90坪と、都内の住宅地としてはゆったりしています。それだけに、庭と建物の関係をどうするか、内部のつながりをいかに保つかが課題になりました。

 LDKは庭とつながる1階に、個室は2階に。大空間のパブリックスペースと小さなプライベート空間に分ける計画は、建て主の希望に沿ったものです。

 上下階を連続させる方法としては吹き抜けが考えられます。けれども、単純にリビングの上を吹き抜けさせても、建物全体のつながりは保てません。リビング自体も天井が高くなりすぎて、かえって居心地が悪くなる可能性があります。

 検討を重ねた結果、たどりついたアイデアが、家の中を縦横に走る十字型の吹き抜けでした。

 正方形に近い建物の平面を田の字型に分割し、東南を中庭に充てます。2階を北東の主寝室、北西のサニタリー空間、南西の子ども室の3つの箱に分け、それぞれ屋根から吊り下げます。これらの箱と箱の間に十字型に空間を残し、その東西両側に階段を配しました。

 2階を屋根から吊り下げることで、1階は室内に柱が現れません。中庭を含めれば100平方メートルを超える空間が、遮るものなくフラットに連続します。上から下がる3つの箱によって天井の高さが変化し、それによってリビングとダイニングキッチン、客間が緩やかにゾーン分けされます。

 十字型の吹き抜けは、「吹き抜け」というより、1階の空間が一部高くせり上がっているような感じです。2階の各空間は、それぞれ直接この吹き抜けに面しつつ、お互いは接しない関係になります。

 プライベートな空間は、パブリックな空間とはつながるけれども、プライベート空間同士はほどよい距離を保ちます。家全体としては一体感が感じられ、なおかつ家族個人のプライバシーも確保できる。この家に限らず、私たちが住宅を設計するときにいつも心がけていることです。

 周囲は新旧の家が混在し、ところどころに農地も残る発展途上のエリアです。前面道路は狭いながらも人通りが絶えません。そこで、建物は中庭に開き、外周の窓は少なくしています。2階の各空間はそれぞれトップライトを持ち、採光と通風を確保しました。

 すでに生活も始まり、建て主から「家族がどこにいても、一緒にいる実感が持てる」という感想をいただきました。設計の意図が成功したことを喜んでいます。
(横田典雄/CASE DESIGN STUDIO)

中原の家

建築データ
  所在地: 東京都三鷹市
  家族構成: 夫婦+子ども2人
  竣工: 2007年11月
  敷地面積: 297.55平方メートル
  建築面積: 115.47平方メートル
延べ床面積: 199.48平方メートル
  構造・規模: 鉄骨造り、地上2階
  設計: 横田典雄+川村紀子/CASE DESIGN STUDIO
  施工: 彌彦工務店
連絡先  
  CASE DESIGN STUDIO
  代表: 横田典雄、川村紀子
  住所: 〒160-0011 東京都新宿区若葉 1-20-105
TEL: 03-5366-6406
FAX: 03-5366-6407
E-MAIL: info@
case-design.co.jp
URL: http://www.
case-design.co.jp/
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