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Housing File 157「ぐるり三角屋根の家」

個室が取り囲むリビングダイニング、空の見える吹き抜けが家族をつなぐ


ボリュームを小さく見せた北側外観

三角屋根の2階部分が建物中央にあるトップライトを「ロの字形」に取り囲む。建物が密集する旗ざお敷地に建っているため、開口を最小限にし、屋根を低く抑えて周囲に圧迫感を感じさせないようにした


家族が集まる1階のリビングダイニング

玄関からL字状に延びる土間に食卓スペースを用意し、その隣にフローリング張りの小上がりを設けた。小上がりの端に腰掛ければ、キッチンのカウンターや食卓のいすとしても利用できる。窓からは坪庭とそれに続く隣家の緑が見える


動線の中心となる1階小上がり

小上がりから吹き抜けを見上げる。階段と2階の廊下はアクリルを用いた半透明の仕上げとし、柔らかな光が透過するようにした。2階の個室からは、小窓を通して階下の様子を感じ取れる


空の見える吹き抜け空間

吹き抜けの上部は大きなトップライト。建物が密接する環境のなか、家の中央へ光がたっぷりと注ぎ込むようにした。夏季の暑さを防ぐため、ガラス面には高い遮熱性能をもつLow-Eガラスの上に熱線カット飛散防止フィルムを張った。テラスを通して風が抜けやすくするなどの工夫も施している。正面に見えるのは水回り。南側にあるので、明るく気持ちいい


山小屋のような2階の個室3

2人の子どもたちの部屋。三角天井を生かし、共用スペースとは対照的な山小屋風の室内に仕上げた


個室3の窓から見えるリビングダイニング ※

落ち着いた木のインテリアと対照的な景色が広がる


三角屋根に囲まれた屋上

トップライトを囲むようにデッキを回し、洗濯物干しや子どもたちの遊び場として使っている



 大きな吹き抜けが中心にある家です。吹き抜けの上部は、日差しが取り込めるようトップライトとしました。住宅に取り囲まれた余裕のない敷地の中で、外観からは想像できない明るい室内となっています。

 道路から奥まった旗ざお状の敷地には、もともと建て主のお母様が住んでいらっしゃいました。今回はその家を建て替え、建て主夫婦と子ども2人を加えた5人で暮らす計画です。同じ区画には親戚の家が3軒並んでいるほか、南側にはすぐ目の前にアパートが建っています。

 建て主の要望は、「リビングダイニングに家族が集まる家」「お母様の居室を2階に」というものでした。ご家族の希望を受けていろいろ検討した末に、吹き抜けのあるリビングダイニングを1階に置いた現在の形となりました。

 玄関を入るとL字形にタイル張りの土間が段差なしに続いています。親戚とのお付き合いが多い奥様のためにも、外からの入りやすさを心がけました。

 その先に広がるリビングダイニングはトップライトから差し込む光が刻々と変化して、屋外にいるような雰囲気です。その中央に、土間に囲まれるように小上がりを設けました。寝ころぶと、青空に雲が浮かび、屋上で子供たちが遊んでいるのが見えます。

 小上がりにある階段を上がった2階は個室のゾーンです。吹き抜けを囲むように3つの個室と水回りを配置し、アクリルでできた半透明の渡り廊下で各部屋を結びました。

 それぞれの部屋は屋根の形をそのまま反映させた三角天井です。室内の仕上げも家族の好みに応じて変え、共用スペースの白いインテリアと対比させました。それぞれが小窓を通して明るい吹き抜けとつながっています。

断面図
断面図

 設計で意識したのは、自分のお気に入りの居場所にいながら、自然とお互いを感じられるようにすること。空の見える吹き抜けが家全体を包み込み、どこにいても家族を感じられる一体感を生み出すことでした。

 後日、生活の様子についてお聞きしたところ、屋上で友だちとおやつを食べたり、オープンキッチンで料理教室を開いたり、寝起きがいいからと小上がりに布団を敷いて寝てみたり……。ご家族みんなが生活を楽しんでいる様子でした。

 住まいの設計をしていると、「リビング中心に」という要望をよく聞きます。ですが、実はそこにそれぞれのお気に入りの場所がちゃんとあることが大切なんだと思います。家は、子どもが成長する場であるのと同時に私たち親にとっても成長の場でありたい。だから住む方1人ひとりの居場所づくりから家を考えていきたく思います。
(冨永謙/冨永謙建築設計事務所)


ぐるり三角屋根の家

建築データ
  所在地: 東京都練馬区
  家族構成: 夫婦+母+子ども2人
  竣工: 2007年5月
  敷地面積: 122.62平方メートル
  建築面積: 58.83平方メートル
延べ床面積: 114.51平方メートル
  構造・規模: 木造、地上2階建て
  設計: (建築) 冨永謙/冨永謙建築設計事務所
    (構造) 久田基治/構造設計工房デルタ
  施工: 渡邊技建
  写真: 上田宏(※付きを除く)
連絡先  
  冨永謙建築設計事務所
  代表: 冨永謙
  住所: 〒153-0051
東京都目黒区上目黒1-16-2 鹿コーポラス302
TEL 03-5942-5681
FAX 03-5942-5682
E-MAIL: tom@tominaga-a.com
URL: http://www.tominaga-a.com/
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