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こだわりのデザイナーズ住宅 Back number

Housing File 187「O邸」

床のレベル差と視線の透過で、緩やかなつながりを生み出す



 寝室、子どもの勉強などに利用する作業スペース、リビングダイニング、個室などをスキップフロアで連続させた家です。建て主は、大学生から小学生まで3人の子どもがいる5人家族。ただし完全に独立した個室は特に必要ないということでしたので、共用部を中心に各スペースが一体的につながる空間構成を意識しました。

 スキップフロアを採用した理由には、敷地条件への配慮もありました。

 敷地は、横浜市内の住宅地の一角に位置しています。丘陵の頂上部分にあり、地盤面は東側の前面道路から約1メートル低くなっていました。そこで、玄関とこれに続く作業スペースを道路と同じ高さに配置。そこから半階下がった地盤レベルに寝室、半階上がったレベルにリビングダイニングというように、半階ずつずらしながら各部屋を重ねていきました。

 高い天井を持つリビングダイニングに面しては、個室となる木製のボックスを2つ、天井から吊り下げました。木製ボックスを床面から浮かび上がらせて、その下の階段や作業スペース周りに壁をつくらないようにしたのです。その結果、上下階の間を視線と光が通り抜け、どこにいても家族の気配を感じられるようになりました。また木製ボックスの個室には大きなガラス窓をはめ込み、ボックス内にいてもリビングダイニングと視覚的につながるようにしています。

 2階のリビングダイニングを中心に家全体に連続性を持たせた空間構成では、木製ボックスや作業スペースといった小さな場所も重要な役割を果たします。大小のスペースを組み合わせることによって空間にメリハリが生まれ、居心地のいい場所があちこちにできるからです。また天井高の異なる部屋をスキップフロア状に積み上げたために生じる余白の空間を収納に用いたり、上の部屋に生じた出っ張りを机として利用したりするなど、複雑な断面構成を最大限に活用しました。

 建物内だけではなく、外とのつながりを体感できる場も用意しています。リビングダイニングに面したテラスは周囲に高い塀を立てて囲われた空間とし、室内との一体感を持たせました。

 屋上には一部に木製デッキを敷いて、外部の居住空間として利用できるようにしました。ここからは南東側に「みなとみらい」の高層ビル、北側には新横浜プリンスホテルなども望めます。小学生の息子さんは友だちが来ると喜んで屋上に上がっていくなど、家全体を使って遊んでいるようです。
(北川裕記/北川裕記建築設計)


O邸

建築データ
  所在地: 神奈川県横浜市
  家族構成: 夫婦+子ども3人
  竣工: 2009年3月
  敷地面積: 141.03平方メートル
  建築面積: 56.51平方メートル
延べ床面積: 104.34平方メートル
  構造・規模: 木造、地上2階建て
  設計: (建築)北川裕記/北川裕記建築設計、(構造)永田秀正/永田構造設計事務所
  施工: 親松工務店
  写真: 平井広行
連絡先  
  北川裕記建築設計
  代表: 北川裕記
  住所: 〒227-0064
横浜市青葉区田奈町33-17
  TEL&FAX: 045-982-0928
  E-MAIL: hirokit@rm.catv.ne.jp
  URL: http://www.aalab.com/
kitagawa/
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