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こだわりのデザイナーズ住宅 Back number

Housing File 198「HOUSE TAISHIDO」

大小の空間が混在する構成、大きさの違いが接点を生む



 大小の住宅が混在する、都会の住宅街。敷地は間口7メートル・奥行き12メートルと、都市部では比較的ゆとりある大きさなのに対し、前面道路の幅は4メートルしかありません。そこで、都市計画に従って建物を3メートル後退させただけでなく、2階に奥行き2メートルのバルコニーを設けてその上の外壁をさらに奥まらせ、圧迫感を与えないようにしました。

 外壁の色は条例によって決められているのですが、その代わり、規制のかからないガレージの内壁には鮮やかなピンクを用いています。この色はインテリアにも用いており、この住宅のキー・カラーとなっています。

 家の外が大小の建物が入り交じった環境であるように、家の内部も大小の空間が入り交じった構成です。1階には浴室、洗面室、ワードローブと小さな部屋が並んでいるのに対し、2階は約17畳のリビングダイニング。面積が広いだけでなく、天井も高さ3.2メートルあります。この天井高によって、リビングは上階の書斎ともつながりを持つことができます。建て主の愛猫は、壁に取り付けた棚状のキャットウオークで、書斎や階段室とリビングの間を行き来します。

 キッチンは書斎の下にあたり、天井は2.2メートルと普通の高さです。ダイニングとはカウンター付きの窓によって対面します。キッチンはどうしても散らかる場所なので、手元が隠れるように立ち上がりを設けています。窓の開閉でダイニングとのつながりを調節でき、調理中のにおいや音がリビングに漏れるのを防ぐことができます。

 階段室は思い切って広くして書庫を兼ね、ちょっと腰掛けて本も読めるような空間にしました。階段室なら、壁いっぱいに書架を設けても、高いところのものが出し入れしやすい。鉄骨の階段は、ガレージと同じピンクに塗りました。

 3層を結ぶ階段室と、2層にまたがる天井高を持つリビングは、その周囲にある書斎やキッチン、スタディーコーナーと接点を持ちます。各室はそれぞれ独立性を保ちながら、ほかの部屋とも少しずつつながっています。

 たとえ家族同士でも、あまり開放的すぎる関係は居心地が悪いのではないでしょうか。お互いの間に、ある程度の距離感は必要だと考えています。かといって、それぞれが孤立するのもよくない。距離感とつながりが両立する、中間的な空間づくりを意識して設計しています。
(小山光/KEY OPERATION)


HOUSE TAISHIDO

建築データ
  所在地: 東京都世田谷区
  竣工: 2010年10月
  敷地面積: 99.63平方メートル
  建築面積: 58.76平方メートル
延べ床面積: 148.24平方メートル
  構造・規模: 木造、地上3階建て
  設計: 小山光
/KEY OPERATION
  施工: 東京組
連絡先  
  KEY OPERATION/キー・オペレーション一級建築士事務所
  代表: 小山光
  住所: 〒152-0004
東京都目黒区鷹番3-21-21野本ビル2F
  TEL: 03-5724-0061
  FAX: 03-5724-0062
  E-MAIL: info@keyoperation.com
  URL: http://www.
keyoperation.com/
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