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Housing File 63「都筑のコートハウス」

「離れ」で視線を遮り光を導く、中庭は多目的な「外の部屋」


片流れ屋根の2棟を外壁でつなぐ
東南の角から見た外観。2棟がつながっているように見えるが、中ほどは屋根のかかっていない中庭。ガレージのある低い棟が南側隣地からの視線を防ぎ、中庭に光を導く

さまざまな役目を果たす中庭
上の写真のドアを入るとアプローチを兼ねた中庭東側に出る。左手がガレージ、右手がLDK。正面に見えるのが玄関ホール。玄関ホールの向こう、中庭西側は物干しなどサービスヤードとして使う

全面開口で室内と中庭が連続
夕方、中庭から明かりのともった室内を見る。右手はLDKに連続し、左手は玄関ホール。その上は2階から使うルーフバルコニーになっている

対面カウンター付きのキッチン
対面式のキッチンには、手持ちのイスに合わせた大きめのカウンターを造り付けた。簡単な食事はここで済ますことができる。キッチン裏手は洗面・浴室、写真左手は中庭に続く

ホームシアターを楽しむリビング
リビング天井にはホームシアター用のスクリーンを仕込んでいる。階段側面の棚はオーディオ機器用の収納。裏側は階段下納戸になっており、そこから配線ができる

中庭に面した水回り
浴室・洗面・トイレは、西側奥の中庭に面している。写真左手から透明な屋根をかけた物干しスペースに出られる

 敷地は東南の角地で、南には緑豊かな丘があり、とても環境のいい場所です。ただ、丘の上に遊歩道があり、そこから敷地内が見えてしまうのが、唯一のウイークポイントでした。

 そこで、南側に「離れ」のような棟を置いて視線をブロックし、中庭を挟んだ北側にLDKや水回り、寝室などの生活スペースを配することにしました。

 南棟は平屋で、北に向かって傾斜する屋根を持ち、中庭に光を導き入れます。北棟1階は全面開口でこの中庭に面し、カーテンを引かなくても視線を気にせず過ごせる、明るい空間です。

 南北2棟をつなぐ外壁で守られた中庭は、ただ屋根がないだけの「外の部屋」のような場所。その中央に、ガラス張りの玄関ホールを張り出させました。これによって中庭を東西に二分し、それぞれに異なる役割を振り当てます。

 東の「外の部屋」はアプローチを兼ね、リビングや玄関ホールとも一体感のあるパブリックな空間。これに対し、西の「外の部屋」は洗面室やキッチンとつながっていて、物干し場などサービスヤードとしての役目を果たします。

 玄関ホールの上は、南棟の屋根まで続くブリッジのようなルーフバルコニー。ここは北棟2階のプライベートスペースから使います。

 北棟2階はきわめてシンプルな空間です。主寝室はカーテンで仕切り、収納スペースを設けただけ。子どもはまだ1歳半と小さいので、個室はつくらず、大きなフリースペースを用意しておきました。ゆくゆくは2室に仕切ることも可能です。

 南棟の一部は玄関に続くガレージとし、残った部分は使い道を定めない多目的スペースとしました。ここは、ほかの部屋から完全に切り離された場所。家族の誰かが1人になって集中したいとき、気分転換したいときに最適な場所になることでしょう。

 この家には、ダイニングテーブルは置かない計画です。朝食や昼食には、キッチンの対面に造り付けた大きなカウンターで十分ですし、みんなでゆったり食べるときは、リビングのローテーブルをちゃぶ台のように使えばいいのです。

 最近、私たちの設計する家では、ダイニングセットをそろえないケースも増えてきました。日本人の場合、ソファを背もたれ代わりにして床に座り込んでいる家庭はけっこう多いと思います。昔ながらのちゃぶ台感覚を見直してもいいのではないでしょうか。
(井手勤/イオンアーキテクツ)

「都筑のコートハウス」

建築データ
  所在地: 横浜市都筑区
  家族構成: 夫婦+子ども1人
  竣工: 2005年3月
  敷地面積: 181.82平方メートル
  建築面積: 78.41平方メートル
延べ床面積: 116.18平方メートル
  構造・規模: 木造、地上2階
  施工: 栄港建設
設計: イオンアーキテクツ(池田勝彦+井手勤)
  写真:

田伏博

連絡先
イオンアーキテクツ
  代表: 池田勝彦、井手勤
住所: 〒154-0003 東京都世田谷区野沢2-3-1 コーナーズB01
  TEL: 03-3419-0140
FAX: 03-3419-9900
  E-MAIL: ide@ion-arch.com
URL: http://ion-arch.com/
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