TOPLiving Styleこだわりのデザイナーズ住宅

こだわりのデザイナーズ住宅

Housing File 87「ドコデモ・アソベル・ハウス」

仲良し姉妹を見守り育てる、おおらかな2世帯住宅


まるでサンルームのような玄関ホール

天井高4.1メートルの玄関ホール。両開きのテラスドアでテラスに連続している。内側に木製のガラリ戸を設け、プライバシーとセキュリティーに配慮した。手前に見えるフローリング部分はLDKの延長


ワンルームのシンプルなLDK

カエデの無垢(むく)フローリングに、白を基調としたLDK。奥のキッチンにはトップライトから光が差し込む。オレンジ色の引き戸は洗濯機収納、赤は浴室。黄色い引き戸の中にはピアノが収められている。「子供が小さいうちは元気が出る色を」と考えた配色で、将来はシックな色に塗り替え可能


上空から自然光が差し込むバスルーム

トイレ、洗面、浴室を一室にまとめたバスルーム。天井の南端に設けられたスリット状のトップライトから自然光が入る。壁の一面に、ブルーのガラスモザイクタイルを張った


梅林の景色が楽しめる2階

2階プライベートゾーンは、一部引き戸で仕切れるようになっているが、ほぼ一体の空間。壁には隣の梅林を望む窓が並ぶ。北向きのこう配天井にはトップライトを設けた


東面を大きく開いた外観
東側外観。グレーの外壁に片流れ屋根の建物から、シルバーのガルバリウム鋼板を張った玄関部分が張り出している。庭には以前の住まいで丹精して育てていた植物を移植した

 育ち盛りの姉妹を抱えた建て主と、そのご両親の住まいです。敷地は北東の角地で、南は隣家が迫っていますが、北は見事な梅林に向かい合っています。道路の視線を避けながらも、この梅林の雰囲気をうまく家の中に取り込みたいと考えました。

 そこで、建物を敷地の西側に寄せ、東側を梅林につながるような庭に。1階をこの庭に向かって大きく開くことにしました。

 まず、建物の東に1.5階分の高さを持つ玄関ホールを張り出し、その外にテラスを設けます。玄関は間口2間で、1階分の高さは両開きのテラスドア、その上ははめ殺しの全面開口にしました。サンルームのように明るいホールが、採光と同時に、内外をつなぎつつ分ける緩衝帯の役目を果たします。

 テラスドアを全開すれば、LDKからテラスまで、内外の空間が一直線につながる配置。テラスドアの内側には防犯とインテリアを兼ねた木製のガラリ戸とカーテンを重ねました。テラスドアとガラリ戸、カーテンの開閉の組み合わせで、何通りものシーンが生まれます。

 大きく開いた東側に対し、南は眺望が望めないので、2階の外壁を少し後退させてトップライトを設けました。1階南端のキッチンや浴室には、このトップライトから自然光を取り入れます。

 2階のプライベートスペースには、梅林の眺めを切り取る、額縁のような窓をリズミカルに配列。北向きのこう配天井にはトップライトを設けて光を補いました。

 2つのトップライトと4つの窓が左右対称に並んでいるのは、姉妹が成長したら間仕切れるように、という理由から。これまでのところは、2階全体を家族みんなで共有し、ご両親の寝室の引き戸も開け放ったまま、おおらかに住まれているようです。

 私自身も閉じこもるのが苦手なので、いつも外の空気を感じて、光の中で暮らせるような家をつくりたいと思います。

 どんな条件の敷地でも、自然光を取り入れ、外部との関係をつくることは可能です。その土地の個性を生かし、いいところは残らず室内空間に取り込みたいですね。

 また、この住宅では、家族それぞれの年齢や性格に合わせた色を使いたい、という建て主の要望によって、白壁と無垢の木をベースに、所々鮮やかな色を加えました。こうしたカジュアルなインテリアもいいけれど、いつも似たような空間をつくっているわけではありません。

 私の中には、ナチュラルもモダンもシックも、さまざまなイメージの引き出しがあります。ですから、「このスタイルでなくては」という決めつけはしないし、できません。建て主と話しながら、その人なりのイメージを引き出し、膨らませて組み立てていきます。建て主も、何もないところから自分で考えなくてはならないから大変ですが、それこそが家づくりの醍醐味(だいごみ)ではないでしょうか。
(堀内雪/スタジオCY)

ドコデモ・アソベル・ハウス

建築データ
  所在地: 東京都
  家族構成: 本人+子供2人+両親
  竣工: 2004年2月
  敷地面積: 114.50平方メートル
  建築面積: 50.23平方メートル
延べ床面積: 90.59平方メートル
  構造・規模: 木造、地上2階
施工: 名古屋工務店
設計: 堀内雪/スタジオCY
  写真: 堀内犀
連絡先  
  スタジオCY
  代表: 堀内雪
  住所: 〒194-0211東京都町田市相原町787-2-W316
TEL&FAX: 042-773-2247
URL: http://www.studiocy.com/
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