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執筆 殿木真美子/フリーライター 監修 細野 透/住宅ジャーナリスト
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第37回 これからのマンションとコミュニティー
東日本大震災以前と以後で、大きく変わったといわれるマンション観。特に震災後は「つながり」を求める人が増え、マンションのコミュニティーの重要性が改めて注目されている。コミュニティーづくりのためのしかけを散りばめた大規模マンション2件をレポートする。
戸建てとの複合開発が生むコミュニティー

 JR京葉線「稲毛海岸」駅から歩いて17分、7.7ha超の広大な敷地に、現在大きなクレーンが並んでいる。来年2月に一部竣工を迎える「プラウドシティ稲毛海岸」。マンション3棟555戸、戸建て265戸に商業施設を伴った、大規模複合開発の物件である。戸建て住宅「プラウドシーズン」シリーズも販売する売主の野村不動産にとって、マンションと戸建ての一体開発は初の試みであるそうだ。

「プラウドシティ稲毛海岸」レジデンスⅠの2棟と戸建て街区

 敷地の北西奥にスーパー、マンションは北側に2棟、西側に1棟、それらに見守られるように南側前面に戸建て用地が並んでいる。3つのゲートと3つの公園が備わっており、敷地中央のセントラルパークには、クラブハウスが併設されている。

モデルルームのリビングダイニング(プラウドシティ稲毛海岸)

 「これだけの広い敷地に目いっぱいマンションを建てれば、戸数は稼げますが、ここはもともと戸建ての強い地域。戸建て住宅との一体開発にすることで、様々な世代、志向を持つ多様な集団となります。多様性のあるひとつの“街”とするために、あえて一体開発を選びました」と、野村不動産住宅カンパニー住宅営業一部副部長笠原一俊さんは言う。そして、その多様性を育てるために注力したのが、街のコミュニティーづくりの仕掛けだった。

マンション内にある共用施設「キッズ&ママズラウンジ」(プラウドシティ稲毛海岸)

 野村不動産の「プラウド」シリーズでは、2008年から日本女子大学教授の篠原聡子さんと産学協同で、コミュニティーに関して研究・調査するプロジェクトに取り組んでいる。その結果から、コミュニティーデザインの工夫をまとめた「デザイン手法50」が生まれ、すでにいくつかのシリーズに取り入れられている。もちろん、今回の「プラウドシティ稲毛海岸」にも、敷地全体に多くの工夫が散りばめられた。

 例えば、住人みんなで敷地内の木から1つを選びシンボルツリーとする「みんなの木」、街のゲート周辺にマップやベンチを置く「タウンマップ」など、住人の街全体への愛着を育てるもの。また、戸建て住宅には玄関前に鳥が集まる「バードバス」や、道に面した「日曜大工テラス」を設け、道行く人が住人の気配を感じるための工夫もある。ちょっとしたことだが、人と人がつながるきっかけをつくるデザイン手法である。

 また、東京ガスなどが推進する「わたしの森プロジェクト」を採用。街の一画に住民の手で植樹をし、その木を育てていくという取り組みで、木の育成には専門家やNPOのサポートを予定している。

 ちなみに、千葉県美浜区は全体が埋め立て造成によりできた土地であるため、今回の震災で一部液状化現象が見られたが、本物件敷地内では特に被害は出ておらず、周辺のライフラインがストップすることもなかったという。第1期販売は5月下旬から始まり、最多価格帯が2800万円台という割安感から、販売戸数222戸が即日完売と好調な売れ行きを見せている。

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