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呼吸する住宅 自然と調和した快適な暮らし 17 家づくり、私のスタイル──最終回にあたって
筆者プロフィル 住宅写真 設計図
建物と環境を考える
 この家を特徴づけているのは、屋根の上のベランダです。海が見える屋根の上をほとんどデッキにしました。海を眺めながら、潮風を浴びてのバーベキュー。いいですね。半分以上は平らですが、端は屋根の勾配に沿って傾いています。傾いたデッキでも、なるべく屋根の広さを生かしたいと考えたのです。出来上がってみると、この傾きが寝転がるのにとてもいいと気づきました。

 屋根全体を木のデッキで覆ったため、その下の金属の屋根板があまり熱くなりません。結果として、下の部屋も暑くならないという、副次的効果も発揮されました。

 玄関前には、海から帰った時のために、シャワーを設置しました。この家のオーナー一家は、ここでの初めての夏を、海とともに過ごし、謳歌(おうか)したことでしょう。
逗子の小住宅では、海が近いので、戻ってきてそのまま使えるシャワーを玄関横に設置した

 住宅以外の設計として、最近は、森林や里山の中に計画される施設の設計に携わっています。ひとつは、丹後半島の森林活動のための施設。森林の整備や、森林を守り、育てるための活動をする市民のための施設です。

 もうひとつは、琵琶湖の西に位置する新旭町の里山の施設です。どちらも木造の大規模建築物です。「いわむらかずお絵本の丘美術館」を見て、依頼されたようです。住宅以外の大規模建築を考えることは、実は住宅の設計にとても役立つことを、私は実感しています。

 現在、工事中の仕事の中に、東京郊外・小金井で、国分寺崖線という国分寺から世田谷に続く自然斜面に建てる住宅があります。「こんなところに、こんなに深い森が」とだれもが驚く、緑に恵まれた斜面地です。

小金井の住宅建設地。都心から近いわりに自然豊かな場所

豊かな自然が残る小金井では、家の軒先にかわいい訪問者
 斜面住宅はなかなか難しいものですが、変化に富んだ土地での設計は、そこでしかできない楽しい作業でもあります。東京に残された貴重な自然環境や、景観を生かした住宅を完成させようと、現在、格闘中です。
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