静かな住宅地の一角、ふと目につく緑色の看板。「家つくります。庭つくります。靜水舎」。その看板に案内され、庭に足を踏み入れると、周りをスイカズラとジャスミンで囲われた異国情緒たっぷりの「ミディエットスペース(外でも内でもない空間)」が現れます。既製サイズのアルミサッシを利用したそのスペースは、高い欄間から入る光を閉じこめて、パッシブソーラー(*)の役割を果たしています。取材に伺ったのは1月中旬。雪が落ちてきそうな空をよそに、緑が青々と生い茂っていました。
「OFFICE→」。看板の矢印が指すのは、そのミディエットスペース。その扉を開けたとたん、緑につつまれます。自宅の窓は開かれ、ミディエットスペースとは同空間に。そこには、製図台、パソコンやプリンターといった芝さんの仕事道具がずらり。かつてのリビングを、半透明なポリカーボネート板を天井から吊るして、ダイニングと仕切った仕事スペースです。
そしてもう一方。白く塗られてはいるものの、この家と時間を共に過ごしてきた食器棚と、庭に置かれていたテーブルとベンチで構成されたダイニング。今の言葉で表現すると、プチレトロ風なオーブントースターや炊飯器など、モノを大切にする芝さんがつくり上げる、何とも懐かしい空間です。
このご自宅は築40年。「エコロジスト芝さん」の源である、お母さんが長く住んだ家です。晩年のお母さんの介護をするために、5年前に引っ越してきました。手づくりの書棚の上に掛けられた、懐かしいお母さんの古時計は、大きなゼンマイによって、今もその時を刻みます。「ここは一番落ち着く私の居場所なんです」。
*パッシブソーラー:基本的には機械を用いず、家の造り方そのものにより、最大限に太陽エネルギーを取り込むシステム |
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| 手づくりのミディエットスペースは、光を採り込み、最小限の暖房で室内全体を暖める |
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| いつでも変更ができるよう、天井から吊るしただけのポリカーボネートの仕切り |
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| 白く化粧を施されても、どこか懐かしい食器棚。テーブルとベンチはかつては庭に置かれていた |
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