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都市住宅と私の冒険 狭小住宅イズム  
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都心の小さな土地に家を建てて住む、「狭小住宅」が静かなブームになっている。建築家の黒崎敏は30代半ばにして、熱いスピリットと優れたアイデアで、この分野のトップランナーに躍り出た。これは、建築家と建て主が理想の都市住宅づくりを目指す「クリエーティブな冒険」の物語だ。

 
文/黒崎敏 狭小住宅論 一般建築論

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「狭小住宅ニューヨーク編」


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狭小住宅としてのタウンハウス

 「狭小住宅は、東京の専売特許」
 そう思われている方が意外と多いかもしれませんが、決してそんなことはありません。

 大阪や京都にも、小さな家はたくさんありますし、欧米やアジアの都市部でも、至る所で狭小住宅に出合うことができます。
 先日、私が訪れたニューヨークでも、街のあちこちで、東京とは異なるNYスタイルの狭小住宅と対面することができました。今回はその特徴についてご紹介したいと思います。

 NYの街のあちこちで目にする、間口の狭い、レンガ造りの住居群は、通称「タウンハウス」と呼ばれています。
 たいてい2~5階建て程度の都市型住宅であることが多く、アパートメントや戸建てと異なる点としては、隣家と外壁を共有し合う、長屋のような独特の建ち方が挙げられます。

 建物同士が接して建つことで、統一感のあるブロックや街並みを形成できるのが、NYタウンハウスの大きな特徴であり、最近では1棟まるごとをホテルにコンバージョンするなど、興味深い、新しい使われ方も増えてきました。

 タウンハウスには、周辺の歴史や文化的背景などにより、様々なデザインが存在します。
 「人種のるつぼ」といわれるNYらしく、様々なものを受け入れる、寛容な器としての美が備わっているのかもしれません。

 マンハッタンという小さな島の上に、世界中から集まる多くの都市生活者が、合理的に、そして楽しく都市生活を送るための知恵が、肩を寄せ合いながら街並みを構成する「タウンハウス」という狭小住宅スタイルを生み出したといえるでしょう。
 それは自由の国で、生まれるべくして生まれた「ビルディングタイプ」だったのです。
レンガ造りの一般的なタウンハウス。建物上部にはトップライトを設けるなど、居住階の工夫が施されている

同じ色調で街並みの統一感を出しているものの、窓のデザインやレンガの積み方など、ディテールで微妙に異なるものが多い

ヨーロッパからの影響を感じさせるタウンハウス。クラシックな街並みの中でもモダンな外観がひときわ目をひく


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