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都市住宅と私の冒険 狭小住宅イズム  
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文/黒崎敏 狭小住宅論 一般建築論
私の建築論──「ゆとり」と「ゆらぎ」を受け止める

 住まいには、安全であり、機能的であることが求められますが、それだけでは十分ではありません。我々建築家が目指すのは、これらに加え、住まいの中に豊かな精神性を生み出してゆくということです。

 何気ない、些細(ささい)なことの積み重ねである日常生活には、持続力が必要です。心地良さや感動を味わう居住空間には、当たり前の時間を楽しんでいけるだけの「ゆとり」が求められるといえるでしょう。

 また、住まいには、必ず敷地があり、またその周辺が存在します。従って、人や自然、あらゆる人工物とのかかわり方が、住まいに大きく影響する宿命を背負っているといえます。周辺環境は、社会や環境と深く結びつきながら季節や時代とともに変化し、それに合わせて住み手も変化を繰り返すわけです。

 生活にあるこのような「ゆらぎ」こそが、人の動線や、光の扱い方、風の通り方、素材の選び方におけるシンプルな答えを生み出すのです。

 「ゆとり」や「ゆらぎ」を受け止める空間の器としては、大胆さや繊細さなどの両極を受け入れる白いキャンバスのような「潔さ」と、環境や状況による緩急の変化を受け入れる「静寂さ」が必要です。

 時に流されることのない「潔さ」や「静寂さ」には、住まいに最も必要な精神性が存在しており、建築家がつくり続けるべき空間です。住み手は、その空間に身を預け、精神を開放することで、心ゆくまで生活を楽しんでほしいものです。

ARUMIK
茨城県つくば市(複合ビル RC造地下1階・地上3階)
光に包まれるファサードは、この建物を象徴する「ゲート(門)」がモチーフとなっている
機能と意匠を併せもつ「オールステンレスプロ仕様キッチン」はすべてオーダーメードの本格派
所在地 茨城県つくば市
竣工 2003年11月
敷地面積 490.39平方メートル(148.34坪)
建築面積 284.93平方メートル(86.19坪)
B1F床面積 189.23平方メートル(52.24坪)
1F床面積 106.18平方メートル(32.11坪)
2F床面積 191.21平方メートル(57.84坪)
3F床面積 124.08平方メートル(37.53坪)
PH床面積 25.11平方メートル(7.59坪)
延床面積 635.81平方メートル(192.33坪)
建物の真ん中を突き抜けるパッサージュ(街路)は、前面道路と、建物奥にある巨大な公園とをダイレクトにつなぐ
吹抜部分に面した跳ね出しリビング階段。手すりはPS輻射(ふくしゃ)冷暖房システムも兼ねる
ペントハウスリビングは、ピクチャーウインドー越しに映りこむ公園の緑が借景となり、季節を彩る
構造_1BF 鉄筋コンクリート壁式構造(一部鉄骨造り)
規模 地下1階・地上3階建て
用途 店舗・事務所・住宅
家族構成 夫婦
構造設計 正木構造研究所/正木健太
FLUFFY
茨城県つくば市(店舗 鉄骨造り2階建て)
ピロティの上は、水平連続窓のガラスボックスが浮いているような大胆なデザイン シャンプーエリアから室内全体を見る。中庭エリアから柔らかい自然光が室内に降り注ぐ
住宅のリビングを意識した、落ち着いた雰囲気のウェイティングゾーン

所在地 茨城県つくば市
竣工 2003年2月
敷地面積 335.02平方メートル(101.34坪)
建築面積 145.80平方メートル(44.10坪)
1F床面積 29.16平方メートル(8.82坪)
2F床面積 116.64平方メートル(35.28坪)
延床面積 145.80平方メートル(44.10坪)
構造 鉄骨造り
規模 地上2階建て
用途 ヘアサロン・ギャラリー
構造設計 別府構造設計事務所
前面道路側からルーバー越しに内部が一部透けて見えるセミクローズのファサード
建物の中心にあるコートデッキから見る青空。ルーバー天井越しに街路樹が見える


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