車を手放し、車庫を趣味のギャラリーに。
カフェを開き、定年後の生活を楽しむ構想も
東京都 Aさん宅 築約38年一戸建て
![]() |
駐車場だった場所を、玄関を兼ねたギャラリースペースにリノベーション。床はモルタルの土間、端に那智黒石(なちくろいし)を敷きこんでいる。壁は火山灰シラスが原料の左官壁。既存のアルミサッシの窓を隠すため、Aさんが持っていた障子を取り付け、その前には木のカウンターを設置。陶器の展示コーナーとし、その下部は靴収納として使用している(クリックすると拡大します) |
ご主人こだわりの |
Aさんのお宅は、都心の下町風情漂うエリアに建つ築38年の一戸建て。もともと下宿家のような造りだった家を、昭和52年に簡単に改装し、1階を奥さまのご両親、2階をAさん一家(夫婦と子供3人)で使ってきました。そしてご両親が亡くなられた後、「このままでは使いにくいから」とリノベーションして住み継ぐことにしました。
「新たに建て替えると、建築法の関係で、もとの家よりかなり狭くなってしまうので、リノベーションを選択しました。3人の子供たちも遠からず独立していくでしょうから、今後は自分が趣味を楽しみながら、快適に暮らせる住まいにしたいと思いました。」とご主人。
ご主人は衣食住、身のまわりのすべてのものにこだわりがあり、陶器や絵画、家具、洋服や靴などをたくさん持っています。「リノベーションしたら、こういうものをきちんと収納しつつ、陶器や絵画は季節ごとに選んでさりげなく飾って、好きなものに囲まれて暮らせればいいな」と。だから奥さまも今回のリノベーションは思い入れの深いご主人に、ほとんどおまかせでした。
設計は建築家の鈴木久子さんに依頼。「私は古い家に使われている建具や欄間などが好きで、リノベーションするときには生かしたいと思って、少しずつ集めていました。もともとは鈴木さんのご主人と知り合いで、久子さんが古い素材を生かして、命を吹き込むような建築を手がけておられるのを知っていました。それに家に対する考え方に共通するところが多々あったので、迷わず鈴木さんにお願いしました」(ご主人)
古い建具を使うといっても、Aさんは古民家風の家を望んでいたわけではありません。「モダンな空間の中にアクセント的に使いたい」。そのあたりの微妙なバランスを、鈴木さんならわかってもらえる、と感じたのも、頼みたいと思った理由でした。






