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快適リノベLIFE

老朽化した建物・設備を修繕するリフォームと異なり、リノベーション(リノベ)は自分たちのライフスタイルに合わせて、中古住宅に新たな価値を与える積極的な行為です。スクラップ&ビルドの時代が終わり、中古住宅活用が注目される昨今、リノベーションで納得のわが家を実現した方を紹介します。

009 マンションにロフトを設け、
限られた空間を広く使う

東京都 Mさん 築15年マンション

 

中央の廊下を挟んでキッチンの裏側とリビング横の2カ所に、ロフトのあるボックス状の居室を設けている。リビング横の階段を上がると、長女の子ども部屋に(写真をクリックすると拡大します)

マンションだけど土間や高低差のある住まいを希望

 いずれはマイホームを持つ、という予定で賃貸住まいを続けていたMさん夫妻。「一戸建てへの憧れはあったのですが、都内で土地を購入して、自分の好きなように家を建てようと思うと、資金面で現実的に厳しい。とはいえ、マンションのありきたりの間取りや内装ではつまらない。せっかく自分たちの家を持つのなら、できるだけ好きなようにやりたい。そう考えていくと、たどりついたのが、中古マンションを購入してリノベーションするという結論でした。自分たちの好きなように家づくりができるし、資金的にも現実的でした」(ご主人)

和室
リビングとキッチンに面して6畳の和室がある、典型的なファミリータイプのマンションの間取りだった(写真をクリックすると拡大します)

和室だった場所を二層構造の居室に。下が寝室、ロフトが子ども部屋。壁に囲まれていた独立型キッチンはオープンキッチンにした(写真をクリックすると拡大します)

キッチン裏にもロフトがあり、今はご主人の趣味の部屋として使っているが、子どもが増えれば子ども部屋に。天井はオープンでLDKと一体空間になっている(写真をクリックすると拡大します)

子ども部屋(ロフト上)

子ども部屋として使用しているロフト上部。床から天井までの高さは約1.2メートル。大人が立ち上がることはできないが、寝たり、本を読んだりするのには十分快適。秘密基地のようで子どもには楽しい空間だ(写真をクリックすると拡大します)

寝室(ロフト下)

ロフト下の寝室。ベッドが置いてあるスペースはロフトの下なので、天井が低くなっているが、眠るだけなので使い勝手に問題はない。ベッドサイドは通路として天井高を確保し、立って歩けるようにしている(写真をクリックすると拡大します)

和室

玄関からLDKへ通り抜ける廊下の脇は、キッチン裏に設けたロフトの下部で、畳スペース。廊下の出入り口の引き戸を閉めると個室となり、畳+板の間に、ふとん2枚が敷け、ゲストルームなどに活躍(写真をクリックすると拡大します)

 Mさんがリノベーションを前提に購入したのは、今まで住んでいたエリアとさほど離れていない場所に建つ築15年のマンション。幼稚園に通い始めたひとり娘が転園しなくてもよい立地であること、広さが70平方メートル以上あり家族3人が暮らすのに十分のスペースがあること、1981年に施行された新耐震基準をクリアしていることなどが、このマンションを選んだ大きなポイントでした。

 設計をどこに依頼するかは、奥さまが中心となり、マンションを探しながら同時進行で調べました。「ネットで『リノベーション』という言葉を入れて検索し、いろんな会社や建築家のホームページを見ました。そのなかで目にとまったのがジーファクトリー建築設計事務所(東京・中央区)の渡辺ガクさんの作品。土間のある家があって、とても印象的でした。マンションだけど自分たちの家にも土間があったら楽しいだろうなって思ったんです」(奥さま)。「作品のテイストも私たち好みだったのですが、ブログに書かれている文章もよくて、この人なら僕たちの望むものをつくってくれそうな気がしました。結局、他の建築家はあたらず依頼を決めました」(ご主人)

 プランニングにあたってMさんが希望したことは、大きく以下の4点。

(1)土間が欲しい。

(2)家の中に高低差が欲しい。

(3)キッチンはオープンで、業務用のようなシンプルなデザインにして欲しい。

(4)家具はもともと持っている『TRUCK FURNITURE』の家具を使うのでインテリアはそれに合うテイストに。

 「マンションのリノベなのに、最初の要望が『土間が欲しい』だったので、ちょっとびっくり。お施主さんからテーマをもらったような気がしましたね。一般的によく言われるような何部屋欲しい、というような話は特になく、こんな雰囲気が好き、と雑誌の切り抜きなどを見せていただきました。全体にカフェのような雰囲気で、要望が明確でしたね」(建築家の渡辺ガクさん)

 ご主人は「もし、一戸建てが建てられるなら、スキップフロアのある家がいいなぁーと思っていたんです。一戸建てへの憧れから、マンションでも場所によって高低差がつけられたらって思ったのです」と、高低差を要望した真意を話します。

 今、持っている家具でリノベ後も暮らす、というのもテーマのひとつでした。賃貸住まいのときから、ソファやキャビネットなどメインの家具は、アイアンや無垢の木を多用し、ザックリとしたテイストの「TRUCK FURNITURE」のものを愛用。「ずっと使い続けることを前提にご夫妻が選んだものなので、そのテイストにあわせてインテリアをイメージしました」(渡辺さん)

 
 

土間玄関から予備室を迂回(うかい)してLDKへ抜ける回廊。玄関からLDKへ抜ける通路が、中央の廊下だけでなく、ロフトの両サイドにも設けられ、回遊できる。左の壁面には予備室の小窓やロフトへの階段がある(写真をクリックすると拡大します)

玄関からロフト、LDK方向を見たところ。右側にトイレ、左側のアールの壁の奥は浴室。壁に丸みをもたせることで、空間に広がりを与え、柔らかな印象に(写真をクリックすると拡大します)

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