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素敵な暮らしのつくり方

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10.表千家茶道教授者・中澤仁さんの住まいレッスン

もてなす相手によってしつらえを変える。この日は、取材に訪れた私たちのために、あえて自らとかかわりの深い歌舞伎の軸を掛けてくれた

LESSON1
一客一亭の思い

 「私は、“一客一亭”という言葉が好きなんですよ。一人の客と一人の亭主ということを表す言葉ですが、そこには、常にお客様と向き合い、その方が満足してくださるおもてなしをするという姿勢が込められていると思います」

 相手に心地良く過ごしてもらうこと。これはお茶の席の上だけでなく、私たちの普段の生活の中でも心がけておきたいことです。相手が家族であったとしても同じこと。相手を思いやり、心を通わすのは大切なことでしょう。茶の湯には、人と人とのコミュニケーションを深める知恵がいろいろと秘められているようです。

 「お茶の所作には、きれいに見せることだけでなく、粗相のないように振る舞おうとする心配りがあります。それゆえに、控えめながら美しいのだと思います」

 相手を思う奥ゆかしさ。人間関係が希薄になりがちな今だからこそ、忘れずにおきたいものです。

「曾祖父、二代目河原崎権十郎が武蔵坊弁慶を演じたときの隈取りです」。今日は中澤さんと縁の深い品ということで特別に掛けてくれた

厳しい残暑の残る9月の初め、床の間には真っ白なむくげの花が一輪。「楚々(そそ)とした花を生けるのが好きですね」

「茶の湯は主客の距離を縮める時間ですよ。今日は気軽に行きましょう」と中澤さん。穏やかな笑顔で招いた人との会話を楽しむ

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